通帳を家計簿にするときのポイント

 ある程度まとまった金額を引き出して使う人は、通帳の明細欄にはあまりスペースがありませんから、詳細を書ききれないでしょう。そんなときは、毎月引き出すタイミングと金額を決めましょう。たとえば、お給料日の翌日に5万円を引き出して、現金会計のお買い物はその範囲内で済ませるようにする、と決めておきます。5万円の出費の詳細は記録できないかもしれませんが、「毎月5万円以内でやりくりする」というクセはつけることができます。もし、5万円では足りなくなったときには、次に必要なお金を引き出しに行くはずです。このときには、次のお買い物で必要な金額だけを引き出し、その使い道を通帳に書きこんでおきます。そうすれば、「10月は5万円では足りずに、追加で1万円を引き出して洋服を買った」などの状況が分かります。

 この方法は、家計管理としてはかなり大雑把ではあります。詳細に家計を分析するには、情報が不足することもあるでしょう。ですが、なかなか家計簿が続かない、始めてもやめてしまってそれっきりになるよりは、おおよその家計を把握できる点で、かなり大きな意味があります。

 忙しいと、お金のことはどうしても後回しになりがち。だからこそ、日頃使うものを上手に活用して、気軽に家計簿をつけてみましょう。継続して記録していくことで、自分のお金の使い方の傾向をつかむことができます。それさえできれば、家計簿としては大成功です。

文/加藤梨里、イラスト/梶塚美帆

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