専業主婦が個人型DCに加入するメリットはこれ

 この度、個人型DCには専業主婦(主夫)も加入できるようになりました。専業主婦でご主人の扶養に入っている人は国民年金の第3号被保険者といわれ、年金保険料を自分で支払う必要がありません。しかしその分、将来にご自身が受け取る老齢年金は厚生年金に加入している人に比べて金額が低くなってしまいます。そこで個人型DCを利用すると、ご自身の年金に上乗せの準備をすることができます。

 専業主婦が個人型DCを利用する際に注意したいのが、税のメリットです。確定拠出年金には、積み立てた掛金の金額に応じて、所得税・住民税を軽減できるメリットがありますが、収入がない専業主婦の場合、所得税を払っていないので、税を軽減できません。

 ただ、パートをしている人は少し話が違います。よく「103万円の壁」といわれるように、パートの年収が103万円までは税金がかかりませんが(※)、確定拠出年金に積み立てることでこの壁がアップします。専業主婦の場合、最大で年間27.6万円まで個人型DCに積み立てることができますが、この金額はそのまま所得控除の対象になり、税金がかかりません。つまり、収入103万円+積立の最大額27.6万円=130.6万円までは、パート収入があっても税金がかからないことになります。

 このように、個人型DCはお勤めの方、専業主婦の方それぞれにメリットがあります。老後資金を増やす方法の一つとして、上手に活用してはいかがでしょうか?

※年収100万円を超えると、住民税の対象になります。

参照先:厚生労働省「iDeCo(イデコ)/個人型確定拠出年金」パンフレット
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/annai_5.pdf

文/加藤梨里、イラスト/梶塚美帆

◆変更履歴:本文を一部修正しました。(2017年1月6日)
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