ハリウッドが昼ドラを作るとおしゃれで、美しく、繊細で、そして苦しい作品に仕上がりました。今日は「さよなら、僕のマンハッタン」をご紹介します。GWに見に行ってみてはいかがでしょうか。

ヒロインのミミがキュート過ぎてつらい (C)2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

 映画カタリストのゆうせいです。

 ニューヨークを舞台にしたおしゃれな映画を見に行ったはずが、まるでドロドロした昼ドラのような作品に出合いました。

 ・・・・・・なんてことを言うと怒られるかもしれませんが、現実から目を背け続けている主人公トーマスが、人生に迷走しながらも、登場人物たちと複雑に絡み合う展開は、もはやハリウッドが作ったおしゃれな昼ドラだと言っても過言ではないでしょう。

 本日紹介する「さよなら、僕のマンハッタン」は、精いっぱい背伸びをしたニューヨーカーの青春ストーリー。見終わった時は、過去のほろ苦い思い出がよみがえってくるような作品です。

【ストーリー】
大学卒業を機に高級住宅街アッパー・ウエストサイドにある親元を離れ、最も地価の安いロウワー・イーストサイドで一人暮らしを始めたトーマスは、風変わりなアパートの隣人W.F.ジェラルドと出会い、彼から人生のアドバイスを受けることに。ある日、思いを寄せる古書店員のミミと行ったナイトクラブで、父のある行動を目撃してしまう。退屈な日々に舞い降りた二つの出会いが彼を予想もしていなかった自身と家族の物語に直面させることになる・・・・・・。

誰だってこじらせる時期はあるけれど

名優ジェフ・ブリッジス演じる奇妙な隣人に引き込まれる (C)2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

 あなたの周りには、夢や目標ばかり大きくて、現実から目を背けている男子はいませんか?

 誰しも大きな夢や目標を語りたがる時期はあります。また、中には世間に対して斜に構えた発言をする人もいるでしょう。こういった一連の振る舞いには、いわゆる思春期特有の背伸びした言動に皮肉を込めて言う「中二病」という言葉が当てはまるかもしれません。

 この状況からいかに早く抜け出せるかが、大人の階段を上るポイントになるわけですが、本作の主人公・トーマスは大学を卒業してもまだ抜け出せず、「自分の居場所探し」ばかりしています。

 思いを寄せるヒロイン・ミミとは一夜限りの関係で友達止まり。出版社を経営する父・イーサンに反発し、躁うつ病の母・ジュディスの精神安定剤として開催される夕食会では背伸びしたつもりが、繰り広げられるハイソな会話に入ることができず、むしろ就職の心配をされる始末。見ていて、痛々しささえ感じます。

 唯一の救いは、トーマスの住むロウワー・イーストサイドに引っ越してきた奇妙な隣人・ジェラルド。この見ず知らずの隣人を好奇心に負けて受け入れたことで、トーマスの人生はよい方向に向かい始めたかに見えます。

 しかしながら、いい年齢の男が就職もせず、大きな夢ばかり追いかけていても何もよいことはありません。いつかは現実と向き合わなければならない時が、やってくるのです。トーマスの場合は、父のある行動を見てしまったことがきっかけでした。それは一体……?