会社を辞めるだけで解決するの?
会社を辞めたって何も変わらない、その先に希望なんてない。精神的に追い詰められてしまうと、軽く絶望してしまうことは多々あります。だから仕事中は自分をロボットだと言い聞かせたり、プライベートの自分だけが本当の自分なんだと思ったりすることでごまかす方法もあると思います。
でも、ごまかしきれない絶望があるとしたら?
わずかな希望さえも潰されてしまうとしたら?
会社を辞めるだけで解決する。そんなことを言われても、「そんな単純なことじゃないんだよ!」と言いたくなる気持ちは痛いほど分かります。事実、私もそう思っていました。仕事がつらいのは当たり前で、みんなそのつらい仕事に向き合って人生をどうにか生きているし、そもそも仕事以外にもつらいことなんていくらでもあるだろうという考えも分かります。
本作は、もしかしたら仕事以外でうまくいかないことも、仕事が原因なのかもしれないと教えてくれます。
作中に、こんなセリフが出てきます。
「希望はなくならない、見えなくなっているだけ」
会社を辞めさえすれば何もかもが解決するとは言いません。しかし、仕事が人生の大半を占めていることは事実であり、そこが変われば希望が持てる、見えてくることは間違いないと言えます。
会社を辞めたくなったとき、辞めずに済む方法を探すことは、もちろん大事です。けれど本作を見て、「辞めるのも一つの手段」であることを知ると、心が楽になると思います。会社は一つだけではないし、働き方だって一つだけではないですからね。
それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。
文/永井勇成