「自分を超える」。今年の自分は昨年の自分より成長していると言えるでしょうか? そこで、それを実証するために、昨年は怖くて見ることができなかったホラー映画を見ることにしました。

ピエロのフリフリ衣装はかわいいんですけどね…
ピエロのフリフリ衣装はかわいいんですけどね…

 映画カタリストのゆうせいです。夏ですね。ものすごい猛暑ですね。こんな暑い日はホラー映画でも見て涼みたい気持ちになります。でも怖いじゃないですか、ホラー映画って。

 実は、昨年の夏に見たいホラー作品があったんです。すごく話題になったのでご存じの方も多いと思いますが、その作品とは「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」。

【ストーリー】
一見、平和で静かな田舎町を恐怖が覆い尽くす。子どもの失踪事件が多発していたのだ。内気な少年ビルの弟も、ある大雨の日に外出し、通りにおびただしい血痕を残して消息を絶った。悲しみに暮れ、行方不明の弟を案じるビルの前に、「それ」は突然現れる。「それ」を目撃して以来、恐怖に取りつかれるビル。しかし、得体の知れない恐怖を抱えることになったのは、彼だけではなかった。自宅の地下室、バスルーム、図書館、そして町の中……。何かに恐怖を感じるたびに「それ」は、どこにでも現れる。神出鬼没、変幻自在の「それ」からは、決して逃れられない……。

 見よう見ようと思っていたんです、本当に。予告編の再生回数が24時間で1億9700万回を記録し、話題になっていましたから。ただ、普段は映画館で映画を見ないような人が多く来館し、そのマナーの悪さが問題にもなっていて、それならばブルーレイが出るまで待つかと言い訳をして先延ばしにつつ、気が付いたら次の夏がやって来てしまいました。

 このままでは昨年の自分に負けたまま。本当は見るのが怖いだけなのに、いろいろと言い訳してペンディングしている自分に気が付いたのです。あれから1年。大きく成長した自分を見せる時が、昨年の自分を超える時が、ようやくやって来ました。

あれ? 意外と怖くないかも…いや、やっぱり怖い

のぞき容疑ですぐに捕まってもおかしくない
のぞき容疑ですぐに捕まってもおかしくない

 映画は予告編の冒頭と同じく、主人公・ビルの弟ジョージーが大雨の中に船を浮かべに行くシーンからスタートしました。排水口からピエロのペニーワイズが現れるあのシーンです。ただ、ペニーワイズは気色悪いし、ちょっと痛いというかグロい描写もあるのですが、そこまで怖くない……。

 あれ? もしかして、「怖い」のハードル上げ過ぎたかな?

 ……いいえ、残念ながら、上げ過ぎていませんでした。

 「それ」のことをなめていた数分前の自分を殴りたいほどに、その後ビビリ倒しました。子どもたちでさえ「それ」に立ち向かっているというのに、自分ときたらエアコンの温度を1度上げつつ、膝を抱えながら、終始ビビリながら鑑賞したのです。

 特に、なんと言っても音が、音楽が怖い。怖ぇえええ!

 もちろんピエロも怖いですよ。でも音楽がさらに恐怖心をあおってくるのです。一見なにもなく、本来であれば無音であるはずのシーンのバックで流れる音。気持ち悪過ぎて作曲家を校舎裏に呼び出してやろうかと思いました。

 でも、ピエロよりも音楽よりも、「それ」がもっと怖かったのです……。