働く女子たちをもっと元気にする連載「ビタミンシネマ」。今回は吉田修一さん原作の映画『怒り』をお届けします。すぐに自分で背負い込んでしまって、気が付けば仕事が終わらない――なんてことはありませんか? もう少し部下や後輩を信じて、任せてみることも大切かもしれません。

自分でやったほうが早いからと仕事を抱え込んでいない?

 難しい仕事、ややこしい仕事、そして説明しにくい仕事――誰かに任せるより自分でやってしまうほうが早い!と思うことってありますよね。指示を出したり説明したりしている時間がもったいないし、むしろその時間で終わらせられると考えてしまいます。

 もしくは、どうせ一度伝えたところで理解してもらえないだろうとか、自分の時は教えてもらわなくてもできたから、いつか勝手にできるようになるだろうとか……。

 しかし、そうやって抱え込んでいても自分の仕事が減らないし、もう一段階上の仕事に取り組めない原因になっているかもしれません。もっと部下や後輩を信じて、仕事を任せてみてはいかがでしょうか?

 そこで今回おすすめしたいのは、信じることの怖さと難しさ、そして大切さを学ばせてくれる映画『怒り』です。

見終わったあと、今日から父を「おとうちゃん」と呼んでみたくなります  (C) 2016「怒り」製作委員会
【ストーリー】
ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。窓は閉め切られ、蒸し風呂状態の現場には、『怒』の血文字が残されていた。犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。事件から1年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が現れた。愛した人は、殺人犯だったのか? それでも、あなたを信じたい。そう願う私に信じたくない結末が突きつけられる。

何をもって相手を信じるのか

 そもそも、誰かを信じようとするとき、そして信じるとき、あなたは何で判断していますか?

 過去?
 態度?
 それとも目?

 本作では、素性の知れない3人の男に関わる人々が、「信じたいけど、疑ってしまう」という気持ちに苦しんでいます。

このカップルは、かなり濃厚! でも……切ない (C) 2016「怒り」製作委員会

 過去について分からないことばかり。聞いても答えてくれない。どこに住み、仕事は何をしていて、そもそも本当の名前なのかも分からない。それでもその人のことが好きだから信じるしかない。

 でもこれは、仕事においても同じことが言えるかもしれません。

 部下や後輩に仕事を頼む場合、任せても大丈夫だと信じるしかないわけです。かならず期待に応えてくれる、もしくはそれ以上のものを出してくれると。どんな仕事をしてきたのか、どの案件なら持ち味を一番生かしてあげられるのか、得意としていること、苦手としていること、本人が気が付いていないことも含めて考慮しなくてはいけないこともあるかもしれません。

 しかし、どんなに多くの要素があったとしても、最後には自分で決めたことがすべてです。つまり、相手を信じると決めた自分を信じなければいけません。

 ただ残念ながら、どれだけ信じたとしても報われないことがあります。