SFファンタジーなのに圧倒的な分かりやすさ
本作は、男女が入れ替わるSFファンタジーを軸に物語が展開されるわけですが、圧倒的な分かりやすさも魅力の一つとなっています。ミステリー要素やサスペンス要素を持ちながらも、そのカラクリが気持よく分かるように作られているのです。
謎が簡単すぎるとつまらないですし、難しすぎると理解不能となりますが、そこが絶妙の分かりやすさとなっています。この分かりやすさこそが「君の名は。」の究極的にすごいところであり、物語に没入しながらもハッと気付かされて、素直に感動できるようになっているのです。
ただ男女が入れ替わるラブストーリーだと思っていると、予想外の展開に引きこまれ、気が付いたらハンカチ片手に声を押し殺し、せっかく並んで買ったポップコーンも手つかずで、鑑賞後は胸がいっぱいで食べられない。さらに、そのまま次の回のチケットを買いに並んでしまうかもしれません。
高校生の時に見たかったと思うかもしれませんが、大人になった今だからこそ共感できることもあると思いますよ。
できれば予告編を見ずに、ネット上でネタバレを目にする前に鑑賞することをおすすめします。ハンカチもしくはティッシュを忘れずに。
それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。
文/永井勇成