余計な詮索は必要なく、ストーリーに集中できる

女性を受け身の存在としない本作は最高 (C) Universal Pictures
女性を受け身の存在としない本作は最高 (C) Universal Pictures

 本作のキャストは、主演のドウェイン・ジョンソンと妻役のネーヴ・キャンベルを除き、日本ではほぼ無名。つまり、どのキャストが、この後にどう動きそうか、などの予想がしにくいのです。

 有名な俳優が出演していると、ちょっと邪推してしまうじゃないですか。たぶんこの人が犯人なんだろうな、とか、きっと後で裏切ってくるだろうな、とか。本作ではそれらを考える要素がありません。

 だからこそストーリーに集中できるし、主人公とその家族に対して完全に肩入れできる。さらには家族愛を描くに当たり、パパの強さはもちろんですが、本作ではママの強さも際立っているのがもう一つの魅力。

 巻き込まれた家族をただの弱者として描かず、子どものピンチには誰だって脅威に立ち向かう勇気が出せるのだと証明してくれます。

実はちょっとした伏線もあったりします

分かりやすい悪人がこちら (C) Universal Pictures
分かりやすい悪人がこちら (C) Universal Pictures

 そんな本作ですが、ちょっとした伏線というか、布石があったりもします。冒頭でのちょっとしたシーンが、実は後半に生きてくるなんてことも。

 何気なく描かれたシーンも、実は意味があり、「ここでつながってくるか~」とアクション映画好きも、普段あまりアクション映画を見ない人も楽しめますよ。

 上映時間も1時間40分と短過ぎず長過ぎず、いつもなら途中でトイレに立ってしまう人も大丈夫かと思います。

 何から何までエンタメに振り切った最高の1本。ぜひ映画館で楽しんでください。

 それではまた。映画カタリストのゆうせいでした。

【作品情報】
『スカイスクレイパー』

9/21(金)公開
配給:東宝東和
(C) Universal Pictures

文/永井勇成