なぜかコミュニケーションがとりたくなる不思議な作品
3つのエピソードが絡み合うようで絡まない感じがなんとも言えないストーリーなのですが、すべてのエピソードにおいて大事にされているのが、コミュニケーションです。
仕事に関する会話以外は何も生み出さないとか思っている人こそ、いろんな人と話し合うことが大事なんだなと気づかされます。
筆者もそうですが、どうしても生き急いでしまうところがあるじゃないですか。電車に乗るにしても、すぐ数分後にはもう1本やってくるのに、なぜか駆け込んで乗り込もうとする。別に損するわけでもないのに……。
たまには料理をしてみたり、田舎の両親に電話をしてみたり、美味しいごはんをゆっくりと味わいたくなる。そんな気持ちになる作品です。
また、タイトルに「続」が付いているからと敬遠する必要はまったくありません。過去作を見ていないことはデメリットじゃなくて、むしろメリットです。
なぜなら、これからまだまだ深夜食堂を楽しむことができるわけですから。お腹がいっぱいでもお腹が減って、心がたっぷりと満たされる作品ですよ。
それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。
文/永井勇成