なぜかコミュニケーションがとりたくなる不思議な作品

深夜とは思えない盛況ぶり。とにかく行ってみたい。(C) 2016安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
深夜とは思えない盛況ぶり。とにかく行ってみたい。(C) 2016安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会

 3つのエピソードが絡み合うようで絡まない感じがなんとも言えないストーリーなのですが、すべてのエピソードにおいて大事にされているのが、コミュニケーションです。

 仕事に関する会話以外は何も生み出さないとか思っている人こそ、いろんな人と話し合うことが大事なんだなと気づかされます。

 筆者もそうですが、どうしても生き急いでしまうところがあるじゃないですか。電車に乗るにしても、すぐ数分後にはもう1本やってくるのに、なぜか駆け込んで乗り込もうとする。別に損するわけでもないのに……。

 たまには料理をしてみたり、田舎の両親に電話をしてみたり、美味しいごはんをゆっくりと味わいたくなる。そんな気持ちになる作品です。

とにかく豚汁が飲みたくなります。(C) 2016安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
とにかく豚汁が飲みたくなります。(C) 2016安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会

 また、タイトルに「続」が付いているからと敬遠する必要はまったくありません。過去作を見ていないことはデメリットじゃなくて、むしろメリットです。

 なぜなら、これからまだまだ深夜食堂を楽しむことができるわけですから。お腹がいっぱいでもお腹が減って、心がたっぷりと満たされる作品ですよ。

 それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。

『続・深夜食堂』
配給:東映
URL:http://www.meshiya-movie.com/
全国公開中!
(C) 2016安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会

文/永井勇成