食事が印象的な映画
3.天空の城ラピュタ
おいしそうな料理を描くのが得意な宮崎駿監督ですが、その中でも「ラピュタは何度も見返してしまう」と永井さんは言います。
「天空の城ラピュタ」は、飛行石を持つ少女・シータと少年・パズーが、空に浮かぶ城・ラピュタを探す冒険物語。
「シータとパズーが食べる目玉焼きをのせたパン、空賊のドーラ一家の山盛りの食事、歯がないはずのドーラが食いちぎるハム……食事シーンの見どころ満載です」と永井さん。
注目してほしいのは、最初はただ逃げることしかできなかったシータが、パズーに助けられ、「自分も人の役に立ちたい」と成長していくところ。空賊たちの食事を作り、洗濯物を干し、一人の女性として、たくましく成長していくんです。シータの目線に立ってみると、冒険ストーリーとはまた違う楽しみ方ができると思います」(永井さん)
女性としての生き方といえば、「だてに女を50年やってるんじゃないよ」という空賊の女船長・ドーラの言葉にも迫力があります。
4.LEON(レオン)
ニューヨークに暮らすプロの殺し屋・レオンと、麻薬取締局に家族を殺された少女・マチルダの共同生活を描くストーリー。公開当時12歳だったナタリー・ポートマンの大人びた演技が注目を集めました。
ナタリー・ポートマン演じるマチルダは親から虐待され、仕方なく生きている少女。唯一心を許せる存在だった弟も殺されてしまい、レオンと暮らすことになります。
「映画の完全版では、レストランでお酒を飲んだマチルダがレオンを誘うシーンがあるのですが、『女の人ってすごいな』と鳥肌が立ちました。女性は年齢に関係なく、『女は女』なんですよね。もし、『もう若くないし、私には仕事しかない』なんて勝手に諦めている人がいたら、ぜひマチルダの妖艶さを見て、女性であることを思い出してください!」(永井さん)
他にもオススメ 「カフェが登場する映画」
5.パターソン
アメリカ・ニュージャージー州でバス運転手をしているパターソンの7日間を描いた作品。パターソンの1日は朝起きて妻にキスするところから始まります。業務の合間に詩を書き留め、帰宅して妻と夕食を取る。愛犬の散歩に出掛け、バーで1杯だけ飲んで眠りにつく……と判で押したような平凡な毎日。
「平凡なパターソンの生活も、映画で見ると面白く思えます。もし、『私の毎日って、つまらないな』と思っている人がいたとしても、実は他人から見たら面白い生活なのかもしれません。淡々と静かに過ぎていく日々を大事にしようと思えます」(カツセさん)