生理に対する正しい知識が圧倒的に不足していることが判明した前回。そこで今回は、引き続き産婦人科医の吉野一枝さんに「正しい生理とはなんぞや」を教えていただきます。

生理とは、出産準備行為である

◆「婦人科の問診で『出血は多いですか』と聞かれますが、そもそも他人のものを見たことがないので答えに困ります。生理について、平均値のような分かりやすい指標がほしい」(34歳)

 このように、読者からは「普通の生理って何?」という声が多く寄せられています。そこで今一度、分かっているようで意外と知らない生理について、よしの女性診療所の産婦人科医・吉野一枝さんに聞いてみることに。

 そもそも、私たちにとって生理はどんな存在なのでしょう?

正しい生理って? (C) PIXTA

 「女性だけが太古から生理を繰り返している理由は、それが出産のための準備行為に他ならないからです。

 皆さんが『生理』と呼んでいる定期的な子宮からの出血の正式名称は、『月経』といいますが、ここでは慣れ親しんだ『生理』でお話ししますね。

 排卵した卵子が精子と出合って受精卵となり、それを迎え入れるためのベッドのような役割をするのが子宮内膜です。生理はこの子宮内膜が剥がれ落ちることで起きるのですが、精子がやって来ず受精が成立しなかった場合、用意していたベッドは不要になります。こうして要らなくなった子宮内膜が体外に排出される現象が生理であり、逆に言えば生理とは、妊娠しなかったからこそ起きる現象といえます。

 こうしてみると、生理が単なる月一度の出血ではなく、いかに妊娠・出産と結び付いたものであるか感じていただけるのではないでしょうか」(吉野さん)

 痛みや不調に気を取られていましたが、私たちの体は毎月、出産に備えていそいそと準備をしていたんですね。ちょっとだけ生理が愛おしいものに思えてきました。毎月悪態をついてごめんよ、生理……。