「普通の生理」がどんなものかを学んだ前回。今回は働く女性にこそおすすめという「ピル」について、産婦人科医の吉野一枝さんに教えてもらいます。まだまだ知らないことが多いピルの正しいメリットを知って、生理の悩みから一歩前進しましょう!

現代女性は、人類史上最多の生理を経験している

 避妊目的か、よほど重い婦人病を患った人が服用するもの――。

 ピルというと、そんなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。ところが、吉野さんにお話を聞いたところ、ピルは「生涯で子どもを10人も産まない女性」つまり、「現代女性のほぼ全員」に必要なものなのでは……と、ガラリと意識改革されたのです。

「子どもを10人産むこと」と「現代女性の生理の悩み」は、どう関係している? (C) PIXTA

 現代女性は、昔と比べて出産のタイミングが高齢化し、出産人数も減ったことにより、「人類史上、最も排卵・月経の回数が多い」とされています。そしてこのことが、乳がんや子宮内膜症といった婦人病増加の一因になっています。

 「ピルは、そんな現代の働く女性のために生まれた薬といえるでしょう。生理を薬でコントロールすることを『自然の摂理に反するから』と強い抵抗感を持つ方もいますが、そもそも、今の生理過多な状況のほうが不自然です。

 本来ならば10代から途切れなくたくさん子どもを産むほうが生物学的には自然なこと。妊娠・出産を望まないうちはピルを服用し卵巣や子宮を休ませてあげることで、より自然に近い環境をつくり出すことにつながります」(吉野さん)

 ピルを飲むことが不自然なのではなく、むしろ現代の生理状況のほうが体にとって大きな負担になっていたんですね。では、吉野さんが考えるピルのメリットとは何でしょうか?