自分に合った「ピル探し」を気軽に始めよう

 ざっとお聞きしただけでもこれだけメリットが享受できるピル。とはいえ、読者の皆さんからは不安や疑問の声も寄せられていました。

●「ピルはいつまで服用し続けられますか。10年以上服用していますが、いつやめていいのかわかりません」(37歳)
●「ピルの服用は何歳まで可能?」(38歳)

 「ピルは基本、初経から閉経まで使えます」と吉野さん。血栓のリスクや、むくみや気持ち悪さといったトラブルが起こりやすいのは飲み始めの時期で、ずっと服用を続けることで体が順応して、リスクも軽減します。

●「『ずっと使う』ではなく、大事なイベントやプレゼン・出張の日だけピルを使うってありですか?」(42歳)

 大事な日に生理がかぶってしまうことを避けるためにそのときだけピルを服用することも可能。その場合、ずらしたい前の月の生理前か生理中までにピルを処方してもらい、生理3~5日目からにピルを飲み始める必要があります。

「ただし、副作用のリスクを減らすためにも、なるべくなら継続して服用することをオススメしたいですね」(吉野さん)

出張や旅行に生理が重なると困る… (C) PIXTA
出張や旅行に生理が重なると困る… (C) PIXTA

●「ピルを飲むのがなんとなく怖い」(32歳)

 ピルに対する不安があるという人は、メリットと注意点を踏まえた上で、自身の体に合うピルを試してみるのが一番。値段は1カ月分が2000円~3000円が相場です。

「日本はピル後進国で他国に比べてまだまだ割高なのですが、一度かかりつけの婦人科医に相談してみて、ぜひトライしてみてほしいですね」(吉野さん)

 生理のお悩みを抱えている人はもちろん、健康的な生活を送りたいすべての女性がピルの活用を前向きに考えてみるべきでは、と思えた今回のお話。次回は、読者から寄せられた生理にまつわるギモンを吉野さんにズバリと解決していただく「生理Q&Aスペシャル」をお届けします。

この人に聞きました
吉野一枝
産婦人科医・臨床心理士
吉野一枝さん
よしの女性診療所院長。高校卒業後、“フリーター”、CM制作会社を経て、32歳で帝京大学医学部入学。著書に「婦人科医が教える 誰にも聞けない生理のお悩み解決法」(彩図社)「40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本」(永岡書店)など

文/小泉なつみ 写真/PIXTA