ブルゾンちえみは正しい。まさに「女に生まれてよかった!」の時代

 さて、最初にお伝えしたいのは、「働く女性にとって今の時代はとてもラッキー!」ということです。まさに、今、ブレーク中の芸人ブルゾンちえみのフレーズ、そのまんま、「女に生まれてよかった!」と思います。

 30年以上、働く女性とその環境を見続けてきた私が断言します。働く女性にとって今は大きなチャンス! このチャンスをどんどん生かしていってほしいと思います。チャンスは長くは続きません。期限があるものです。よく、「幸運の女神は前髪しかない」といいますよね。後ろ髪はないから、通り過ぎたらもうつかめない。ここぞ! というときにチャンスをしっかりつかまないといけません。そして、今、チャンスはゴロゴロ転がっている、まさにあなたのすぐ横にある! と私はお伝えしたいのです。

 それはなぜでしょうか。皆さんもご存じの通り、昨年4月に女性活躍推進法ができました。これは女性活躍を成長戦略の中枢に置く政府の肝煎りでつくられた法律で、301人以上の企業は、女性活躍に関する数値目標を掲げ(例えば、2020年までに女性管理職比率20%にするなど)、それを実現するための行動計画を作って社内外に公表することが義務付けられました。17年5月現在で義務付けられた99.9%(つまりほぼ100%)の企業がそれに対応しているのです。あなたの企業が301人以上ならば必ずそれに対応しているはずです。

 私は企業の経営トップや人事担当役員など経営層に取材したり会ったりすることが多いのですが、業界問わず、「優秀な女性を採用したい」「女性を育成したい」「女性管理職に登用したい」という意欲はかつてないほど高まっています。こんなこと、日本の働く女性史上初めてではないでしょうか。

新しい部署に異動してくれないか? 昇進試験を受けてほしい

 あなたの周辺でも「女性活躍」でザワザワと騒がしくなっていませんか。

 「これまでと違う仕事をしてほしいんだけど」
 「新しい部署に異動してくれないか」
 「ぜひ、昇進試験を受けてほしい。君を管理職に登用しようと思う」

 そんなオファーがあなたのところにもやって来ていませんか。これぞあなたにとって大きなチャンス! だからどんどん受けていただきたいのです。

 こんなオファーがきたら、あなたはどんな気持ちになりますか。

 「え……新しい仕事? 違う部署に異動? 面倒くさいな。今のままでいいよ」
 「昇進しろ、管理職になれ? 冗談じゃない。大変そうだし、できるわけないし、なりたくもない」……なんて、思ってしまうと損をすることになります。

 これまで、日本の企業では、女性は一つの職場で同じ仕事に従事することが多かったと思います。たとえ、女性のほうから異動したいと願い出たとしても、これまでは、「キミはこの部署が合っているよ。ずっといたほうがいい。他の部署なんか行ったら、キミは潰されるよ」(by上司)なんて、訳の分からない理由で留め置かれることがよくありました。

 3年から5年で部署異動してさまざまな職務を経験することで、キャリアの幅を広げスキルを深めるのが、日本の企業の人材の育成パターンでした。ほとんどの男性はそのように育成されてきました。でも、女性はそうではありませんでした。それを改めて、いろいろな仕事を経験させて育成しよう、登用しようというのが、今のオファーにつながっています。

 新しい仕事や部署異動は大変ですよね。慣れないうちは苦労するでしょう。だったら、今の仕事、職場のほうが勝手も分かるし、居心地もいいので出たくないと思うかもしれません。

 でも、ある外資系企業の女性役員がこう言っていました。