こんな「定時退社」「休み方」は反感を買います

 自分の仕事をきちんと終わらせれば、「早く帰る」ことも「休む」こともOKなはず。とはいえ、あまりにも強引なやり方は、周囲の反感を買ったり、チームワークを乱したりしてしまいます。ここから紹介するのは、アンケートに寄せられた本音のNG例。反面教師にするといいかもしれません。

Q5.あなたの周りにいる「早帰り」や「定時退社」、「休みを取得する」人の中で、「それはないよなぁ」「あまり好ましくないなぁ」と感じる仕事の進め方・やり方、言動などのエピソードがあれば教えてください。

締め切りを守らない。できない理由やいつ頃ならできるかも言わない(40歳・製造・人事)

全員で手分けしなければ間に合わない業務がたまにあるが、若い子は『今日は用事があるんで…』とさっさと帰ってしまう。その子の分をまたみんなで手分けし、残業になってしまう。若い子は割り切って帰れるので、逆にあっぱれだなとも思う(42歳・保険・営業)

定時退社を意識するあまり、会社本来の目的を忘れているかのような発言をする(35歳・卸売・流通・営業事務)

何でも受身の人。言われるまで何もやらない。自分で仕事を見つけない。改善策を考えない。だから仕事が少なく、早く帰れる(29歳・不動産・企画・マーケティング・宣伝)

一般職や周囲の仕事が終わっていないのに、先に帰る総合職。自分の仕事が終わって早く帰りたいがために、暇を持て余してウロウロしている総合職(31歳・保険・一般事務)

いつも給湯室にいたり、お手洗いにいたり、コンビニから帰ってきたり。その人がどのように仕事を進めているのかは分からないが、いつもウロウロしいて、定時のチャイムが鳴り終わると同時にカバンを持っている人がいる(28歳・商社・受付)

人にはフォローはしてもらうのに、自分は時間が来たらサッサと帰ってしまう同僚。正直、みんなから顰蹙(ひんしゅく)を買っています(37歳・医療福祉関連)

休むのはいいが、必要な情報が周りに共有されておらず、しかも休み中には一切電話にも出ないので誰も対応できずに困る。顧客から急な問い合わせや障害報告が来る場合もあるので、せめて他の人でも対応できるようにしっかり情報共有しておいてほしい(37歳・情報通信・IT・研究開発)

「あの人の尻拭いに2時間費やしているんですけど!」―不穏な空気が漂います (C)PIXTA
「あの人の尻拭いに2時間費やしているんですけど!」―不穏な空気が漂います (C)PIXTA

問い合わせがあった際に、どこに何があるか分からず、さらに連絡が取れず、全ての業務が停滞した時は冷や汗が出た(35歳・不動産・一般事務)

休むことも仕事の連絡もメール連絡だけで済ませる人。直接、声掛けをしない(37歳・教育・学習支援)

体調不良など急な休みが多すぎる人。社会人だし体調管理も仕事のうちだと思う(26歳・金融・受付)

締め切り間際の仕事を丸投げしてくる(36歳・サービス・経理)

 思わず、「いるいる、そういう人…」と、うなずいてしまった人も多いのではないでしょうか。

 山本さんは周囲から反感や顰蹙を買わないためには、「遠慮ではなく配慮」が必要だといいます。

 「あの人がまだ帰っていないから帰れない、みんなが休んでいないから休めない、というのは不必要な『遠慮』。自分のするべき仕事をきちんと終わらせ、周囲に迷惑をかけずに早く帰ったり、休んだりするのが『配慮』です。

 自分の時間や休暇を充実させたいと思うなら、同じぐらい職場のコミュニケーションも大事にしておきましょう。お互いに困った時にはフォローしあい、気分よく早く帰ったり、休暇を取得したりできる雰囲気をつくることができれば、お互いに罪悪感も感じなくなると思います」(山本さん)

 次回は実際に「早く帰る・上手に休むための工夫」について、紹介します。

■アンケート概要
調査名:「早く帰る&しっかり休む」スキルアンケート
日経ウーマンオンライン上で読者を対象に実施
調査実施期間:2018年6月22~7月8日
回答数:283人

■日経DUALとは
共働き向けのノウハウ情報サイト。働き方、両立術、子育て、子どもの教育、お金などをテーマに実例や専門家によるノウハウ記事を配信。
URL:http://dual.nikkei.co.jp/

文/三浦香代子 写真/PIXTA

この人に聞きました
山本憲明さん
税理士。中小企業診断士。気象予報診断士。大学卒業後、大手メーカーで営業、エンジニア、経理を経験。会社員として働きながら税理士試験や気象予報診断士試験を受験し、短期間で合格。その後、「山本憲明税理士事務所」を設立。経験を基に、仕事を速くする技術を伝授。本業の傍ら、馬主業や少年野球コーチなども行う。近著は自身のベストセラーを漫画にした「マンガでわかる『仕事が速い人』と『仕事が遅い人』の習慣」(明日香出版社)