確かに“欠点”と感じてしまうことはあるけれど…

 このようなジレンマは、多くの人が経験する問題ではないかと思います。未来さんのケースでは欠点の部分に「飲酒」という要素が入っていますが、そこにはさまざまなものが代入されます。

 実際に桃山商事でも、「ギャンブル癖が気になる」「収入さえ安定していれば」「喫煙者という部分だけが難点」「これで趣味が合う人だったらなあ」などなど、似たような構造のお悩みを何度も耳にしました。

 また、他ならぬ私自身もそういった目線で他者を見てしまったことが多々あるし、逆に、誰かから知らずの内にそのような判断を下されていた可能性だって大いにあります。

 誰だってイヤなものはイヤだし、合わない人と無理に合わせたくはないでしょう。だから、このような考えが生じてしまうのは仕方のないことです。

 しかし、これを「誰かのある一面に対して“欠点”という価値判断を下す行為」と捉え直してみるとどうでしょう。ちょっと上から目線な感じが漂ってきますよね。個人的に敬遠するくらいならまだしも、それを欠点として指摘したり、正そうとしたりするならば、それはある種の“暴力”にもなりかねません。今回のお悩みは、そういった可能性を含むセンシティブな問題だと思います。