――「ナメられない」という意外なキーワードが飛び出したこのインタビューの後編は、来週に続きます。

 今回は最後に、恋愛で「仲良くなる」ということについて改めて考えてみたいと思います。

 清田が語る「仲良くなりたい人と仲良くなるテクニック」の特長は、恋愛・友達・仕事など、どんな場面でも適用が可能である点です。ただおそらく、そこに違和感を持たれる方もいるのではないでしょうか。「友達として仲良くなってしまうと、男女関係にはなれない」といったことはよく言われます。

「仲良くなる」ためには「女子力」が必要なのか?

 冒頭で、恋愛は「出会う → 仲良くなる → 付き合う」という三つのステップに分けられると書きました。これに対して友人関係では、「出会う → 仲良くなる」の二つのステップになります。こうして対比してみるとよく分かるのですが、恋愛では「仲良くなる」が「付き合う」ための手段として位置付けられています。そして、その目標となる「付き合う」という関係では多くの場合、女は女として、男は男として関係を取り結ぶことになるので、恋愛で「仲良くなる」ためのハウツーには「女子力」がべったり張り付いているのです。

恋愛ハウツー以外の選択肢もある

 これは当たり前のことのように聞こえるでしょうか。しかし、恋愛は必ずしも最初から恋愛関係を前提として始まるわけではありません。それぞれの気持ちはどうであれ、最初は友人として仲良くなった相手や、仕事を通して関係を深めた相手と結果的に付き合うことだってよくあるわけです。

 ただ、そのようなケースでは、付き合う前にどうやってその相手と仲良くなったのかは言語化されず、「なんとなく」とか「流れで」などと曖昧に表現されることがほとんどです。

 これに対し、いわゆる「女子力」を生かした恋愛ハウツーは明確に言語化されて世の中に流通しているので、付き合うために仲良くなる方法はそれ一択であるように見えるのだと思います。