恋愛における「しがらみ」の機能とは?

 今回のケースで明確なのは、彼がクソであることです。まだお互いをよく知らず、信頼関係も築けていないような相手に対し、いきなり手をつなぎ、ハグをした。これはわりと危険な行為です。

 もしも相手がクラスメートや会社の同僚、友達の友達や同じサークルの仲間だったら、おそらく同じことはやらないでしょう。なぜならその関係性には「しがらみ」があるからです。

 しがらみとは面倒で不自由なものです。ヘタなことをすれば悪い噂が回ってしまうし、仕事や生活に実害が生じるリスクもある。もしもそういう人間関係の中で恋愛感情が芽生えてしまったら、大抵の人は丁寧に関係を築こうとするはずです。しがらみと誠実度は比例します。

しがらみと誠実度の比例
しがらみと誠実度の比例

 ネット経由の出会いにはしがらみがありません。だから大胆な行動に出やすく、ギャップやジャンプが生まれやすい。それは一つの醍醐味でもあるわけですが、もしも交際や結婚にまでつなげたいという気持ちがあるなら、「ネット経由だからこそ慎重に進めていく」という心構えが必要です。

 デート関係から始まっているものの、まだ十分な土台が構築されていない。だからこそ、関係を前に進めるのではなく、まずは(1)から(5)を埋めるようなコミュニケーションを積み上げていく──。こういった意識を共有できない相手とは、関わりを持たないほうが安全だと思われます。