恋愛観やライフスタイルの変化

 相談文によると、美帆さんは元カレと6年間お付き合いしていたとのことです。おそらく山あり谷ありだったその6年間で美帆さんは、彼のことや、彼との関係についてたくさんのことを考えたでしょう。そのなかで、異性と付き合うということに対する考え方や感じ方は大なり小なり変化したはずです。

 また、6年前の美帆さんは23歳なので、たぶん大学を卒業して働き始めた時期ですよね。読者のみなさんにも20代前半の「自分の世界」と今のそれとを比べてみてほしいのですが、趣味や時間の使い方や仲良くしている友人が変わっていたり、仕事と私生活のバランスが変化していたりすることが多いのではないでしょうか。個人的な実感から言っても、社会人になってからの数年間の経験は物の見方やライフスタイルを大きく変化させるだけの影響力があったように感じます。

そこにあるギャップ

 上で述べた美帆さんの変化はどれも我々の推測に過ぎませんが、ここで言いたいのは、6年間の経験によって、恋愛を含めた美帆さんの考え方や身を置く世界が、成熟や充実という方向にアップデートされているのではないかということです。

 それに対して、恋愛の進め方に関する美帆さんの基準や参照先は、あくまで6年より前の自身の経験です。従って考え方は以前のままでアップデートされていない可能性が高く、現在の美帆さんの世界との間にギャップが生まれていると考えられます。すると以前の自分だったら何の疑問もなく「自然に」付き合っていたかもしれないケースでも、違和感が生じることになります。

傷付くリスクを冒してまで恋愛したくないのはなぜか

 例えば、「いいなー」と思った男性から積極的なアプローチがない場合、普通に考えれば自分から能動的に行動するしか選択肢はありません。そんなこと美帆さんにもわかっているはずです。しかしどうにも気乗りしないのは、要は「そこまでして(傷付いてまで)恋愛しなくてもいいや」と、どこかで思っているからではないでしょうか。

 恋愛に時間を費やせば、その分だけそれ以外のことに費やせる時間は減少します。美帆さんは異性と真剣に付き合うことがどれだけ時間やエネルギーを必要とするかを6年間で身をもって体験しているはずですし、恋愛以外の事柄の重要度が高まっている可能性も高いわけです。自身の状況を「考えすぎている」と書いていますが、以前よりも慎重になるのはごく「自然」なことのように思います。

恋愛しないという選択肢もあるが……

 個人的には、気乗りしないのであれば無理して恋愛しなくてもいいんじゃないかなと思いますが、それでは回答になりません。そこで最後のページでは、どうすれば自然な流れで恋愛を進められるのかを考えてみます。