「どうせ俺の話は聞く気ないんでしょ?」というニュアンスも

 こうやって考えてみると、かほさんが「話を聞いてくれたっていいじゃん!」と訴えるのも当然だろうと感じます。話の意図や内容を理解しようともせず、うわべだけの相づちを繰り返してくる相手に対し、「この人は自分の話を聞いてくれている」という感覚など得られるはずもないからです。

 さらに、「女の悩み相談は解決策ではなく共感を求めているだけ」という物言いからは、「どうせ俺の話は聞く気ないんでしょ?」という、かほさんのことを責めるようなニュアンスすら感じます。

 例えばその男性には、過去に苦い思い出があったのかもしれません。「親身になって相談に乗り、自分なりに考えた解決策を提示してみたところ、相手の女性からイマイチな反応をされてしまった」というのはわりと多くの男性が経験していることだと思いますが、その結果として上記のような態度に出ているとしたら……相談相手として頼りにするのはなかなか難しいと思います。

相談に乗る側は「権力」を持ってしまう

 我々もこうして恋愛相談の連載などをやらせてもらっていますが、過去に似たような失敗をいろいろと経験しました。

 真剣に考えた解決策にイマイチな反応をされるとちょっと傷つくし、役立てなかった自分自身にふがいなさを覚えるし、そんな中で「せっかく聞いてあげてるのに……」という気持ちを抱いたことも正直あります。

 相談に乗る側というのはある種の「権力」を持ってしまうため、「相手を自分の言う通りに動かしたい」という欲望に支配されそうになることもあります。

 しかし、そういった気持ちに飲み込まれてしまうと、よき相談相手になることはできないというのが我々の実感です。

 では、相談に乗る側の人はどうすればよいのでしょうか。