避難する場合

 また、近隣の避難所や、友人宅・実家・カプセルホテルなどに避難する場合、長期間家を空けておくと貴重品を盗まれてしまう恐れがあります。万が一の事態に備えて、災害後は貴重品を肌身離さず持って行動するよう心掛けましょう。

●避難先に持っていくもの
□クレジットカードや保険に関する書類
□住宅や銀行との契約書類
□高価な時計やアクセサリー類

 なお、遠方の友人宅や実家に避難する場合は、旅行中のように衣類や洗顔剤・歯ブラシなどのケア用品を持っていく必要はありません。被災地を離れれば必要な物資は普段通り購入できるため、貴重品を持ち、しっかりと施錠して避難しましょう。

 一人暮らしの身軽さを生かせば、早めに遠方へ避難することも可能です。一人暮らしで周囲に頼れる人がいない場合、被災地にとどまると孤独感が増し、想像以上に不安とストレスがたまってしまうこともあります。家族や友人、仕事仲間など、信頼できる人に迎えを頼み、その人の家に身を寄せるという選択肢があることも覚えておきましょう。

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 さまざまな災害から教訓を得て、非常食や対処法は時代とともに少しずつ変わっています。防災バッグの中身も、自分の生活に合っていなかったり、期限が切れていたりするかもしれません。まずは生活スタイルに合った備蓄から始め、被災した際には自分の命を最優先に考えて行動しましょう。

※出典/「東京防災」「東京くらし防災」

文/華井由利奈 イラスト/尾崎悠子

 ※次のページに、災害時に役立つ備蓄や持ち物の「チェックリスト」をまとめました。プリントアウトしてご活用ください。

この人に聞きました
危機管理教育研究所 国崎信江さん