女性の一人暮らしは何かと危険が付き物。閑静な住宅街やオートロックのアパート、マンションの高層階でも、不審者に侵入される危険性はあります。そこで今回は、簡単に実践できる住まいの防犯対策をAll About防犯ガイドで安全生活アドバイザーの佐伯幸子さんに聞きました。今まで全く事件が起きなかった地域でも、油断は禁物。犯罪リスクを下げるちょっとした工夫が、自分の身を危険から救うことになるかもしれません。通勤編と合わせてご覧ください。


どんな住まいでも不審者に侵入される危険性はあります
どんな住まいでも不審者に侵入される危険性はあります

窓やカーテン 玄関以外の侵入口をチェック

 まずは、侵入口になりやすい窓に関する防犯対策から。過去には最上階の部屋に屋上から不審者が降りてきて侵入した事件もありました。「私の家はきっと大丈夫」と過信せず、できることから実践してみましょう。

(1)窓には補助錠を付ける

 窓の鍵が一つしかない場合、補助錠を付けておくと安心です。ホームセンターには、レール部分に差し込むだけで取り付けができるタイプのものなど、簡単に使える補助錠が売られています。また、窓用の侵入防止アラームや防犯フィルムなども販売されています。「人が出入り可能な場所=侵入口」と考え、自宅の施錠に不安がある場合は防犯グッズコーナーで補助錠を追加購入しましょう。

窓のレールに差し込むだけの補助錠もあります
窓のレールに差し込むだけの補助錠もあります

(2)カーテンは性別が分かりづらい色に

 窃盗犯の中には、ピンク色や花柄など、女性居住者を連想させるカーテンがかかっている部屋を狙って侵入している人もいます。カーテンを購入する際には、緑色やグレーなど、性別が特定されにくいものを選ぶのがおすすめです。

カーテンは性別を特定しにくい色がおすすめです
カーテンは性別を特定しにくい色がおすすめです

個人情報が漏れやすい「ベランダ・出窓・郵便受け」

 続いてお伝えするのは、外から見えやすい「ベランダ・出窓・郵便受け」の防犯対策です。何気なく置いたオシャレなインテリアや洗濯物から、個人情報が漏れてしまう理由とは?

(3)性別が分かる洗濯物を外に干さない

 ブラウスやスカート、女性物の下着類などをベランダに干していると、女性が住んでいることが周囲に分かってしまいます。外に干すのはバスタオルやシーツ、ユニセックス仕様のトレーナーなどに限り、それ以外の洗濯物は浴室乾燥や部屋干しで乾かすと安心です。

(4)出窓にぬいぐるみや花を置かない

 お気に入りの雑貨やぬいぐるみ、花を飾りたくなる出窓。しかし、窓際のインテリアはガラス窓を通して外から見えてしまうため、居住者の性別や年齢を判断する材料になり得ます。ちょっとした雑貨でも、他人の目に触れると個人情報が漏れてしまいかねません。何も置かない、シンプルな小物や書籍類のみにするなど、置くものに注意しましょう。

窓際のインテリアにも要注意です
窓際のインテリアにも要注意です

(5)郵便受けに鍵をかける

 一般的に、賃貸アパートや分譲マンションなど、集合住宅の郵便受けには鍵が付いています。鍵をかけるのが面倒で無施錠のままにしている人もいますが、もしクレジットカードの請求書を盗まれたら、名前やカード情報だけでなく購入物の履歴や移動先など、行動のすべてを不審者に把握されてしまいます。鍵をかける一手間を惜しまないよう心掛けましょう。

 また、郵便受けの名前欄や表札に書かれた氏名から居住者が特定されてしまうケースもあります。防犯を意識し、必要以上に個人情報を開示するのは控えましょう。

郵便受けはきちんと施錠しましょう
郵便受けはきちんと施錠しましょう