エレベーターやゴミ収集所 敷地内でも用心を

 最後にお伝えするのは、住まいの周囲の注意点です。エレベーターやゴミの集積所など、たとえ敷地内でも油断は禁物。手間を惜しまないことが身を守る秘訣です。

(9)エレベーターは一人で乗る

 エレベーターに不審者が乗り込んでしまう事態を避けるため、エレベーターには常に一人で乗るのがおすすめです。自分の後から人が乗り込んできた場合には、「お先にどうぞ」と一言添えれば、同乗者を不快な気持ちにさせずに降りることができます。自分に続けて誰も乗り込んでこないことを確認してから、自宅の階数ボタンを押す習慣を付けましょう。

 また、普段から防犯カメラや非常ボタンなどの設備を見ておくと、いざというときに安心です。途中で人が乗ってくる可能性もあるため、一人で乗る際もエレベーターの奥には進まず、非常ボタンに手が届く位置に立ちましょう。

非常ボタンの近くに立ちましょう
非常ボタンの近くに立ちましょう

(10)ゴミは個人情報の山 細断の手間を惜しまない

 不要なゴミとして出したものには、さまざまな個人情報が含まれています。ストーカーが食品のパッケージを見て普段食べているものを推測したり、旅行会社のパンフレットをもとに旅行先を特定したりする可能性も考えられます。過去にはゴミ袋に入れたはずの女性用下着をストーカーに盗まれる事件もありました。

 すべてを隠すのは困難ですが、個人情報が記載された書類は、個人情報の部分を油性ペンで塗り潰して判読不能にした上で、シュレッダーなどで細断し、下着類ははさみを入れてから処分するのがおすすめです。

個人情報が書かれた手紙、そのまま捨てていませんか?
個人情報が書かれた手紙、そのまま捨てていませんか?

 補助錠を取り入れて防犯性を高めたり、個人情報が書かれたゴミを細断したりするだけでなく、日ごろから鍵のかけ忘れや窓の閉め忘れなどに気を付けることも大切です。飲み会後や急いで家を出たときなど、普段と状況が異なるときこそ要注意。住み慣れた場所だからと安心せず、指さし確認をするなど、自分ならではのルールを取り入れて犯罪から身を守りましょう。

まとめ
1・窓には補助錠を付ける
2・カーテンは性別が分かりづらい色に
3・性別が分かる洗濯物を外に干さない
4・出窓にぬいぐるみや花を置かない
5・郵便受けに鍵をかける
6・ドアがワンロックなら、錠を追加する
7・インターホンが鳴ってもすぐに出ない
8・鍵を置きっ放しにしない
9・エレベーターは一人で乗る
10・ゴミは個人情報の山 細断の手間を惜しまない


文/華井由利奈 写真/PIXTA

この人に聞きました
佐伯幸子
佐伯幸子(さえき・ゆきこ)さん
All About防犯ガイド、安全生活アドバイザー。
女性や住まいの安全対策を中心に、暮らしの中のあらゆる場面での危険を指摘、排除する方法を分かりやすく解説。危機管理のスペシャリストとして、講演やTV出演をこなす一方、著書10冊の執筆など精力的に活動。近著は「まさか私が!? 女性を守るセキュリティマニュアル23