〇〇を着たら、47人の部下が離れていってしまった

 大学卒業後、米カジュアルブランドに就職し、店舗での接客に生きがいを感じていた私は、最年少店長や販売成績ナンバーワンなど順調に結果を出し、30歳の時にヘッドハントで外資系ラグジュアリーブランドのエリアマネジャーという役職に就くことになりました。

 ある日突然、47人もの部下を引っ張るステージに立たされ、経験したことのない焦りを感じました。焦りは不安となり、その不安を隠すために、私は“鎧”を着たのです。鎧とは、いかにも威圧感のある上下ビシッと揃ったブラックスーツでした。

鎧のブラックスーツを着た私に部下たちは…… (C)PIXTA
鎧のブラックスーツを着た私に部下たちは…… (C)PIXTA

 本来の私はどちらかというと、落ち込んでいる後輩を励ましたり、一緒に解決法を考えたりする“ゆるキャラ系リーダーシップ”を得意とするほうだったのに、「なめられたらあかん」という気負いからブラックスーツに袖を通してしまったのです。

 不思議なことに、威圧感のある服を着た私の物言いまで威圧的になり、部下は離れていきました。また、隠しきれない不安はブラックスーツとのギャップによってかえって強調されていたと思います。

 部下の不満が聞こえてきた時に我に返り、「自分らしくありながら、求められている役割もきちんと表現できる服」を少しずつ取り戻していきました。その結果、部下と共に高め合えるような理想のコミュニケーションを重ねていくことができるようになりました。

 「自分らしくありながら、求められている役割もきちんと表現できる服」ってどうやって見つけるの? そんな声が聞こえてきました。考え方はとてもシンプルです。

 このシリーズで実践も交えながら7回に渡ってお伝えしていきます!

文/宮本恵理子 みなみさん写真/小野さやか

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