働く女性たちにとって忙しい朝の時間。早起きしてゆっくり朝ごはんを食べたいけれど、つい寝坊してしまって……という人も多いのでは。「早朝グルメの会」を主宰する朝6時代表取締役社長の池田千恵さんと、「ストレスが消える朝1分の習慣」著者でもある精神科医の西多昌規さんが、脳や心に効く、早起きと朝ごはんの習慣について語り合います。

精神科医・西多昌規さん(左)、朝6時代表取締役社長・池田千恵さん(右)
精神科医・西多昌規さん(左)、朝6時代表取締役社長・池田千恵さん(右)

「音」ではなく「光」で起きる

池田千恵さん(以下、池田):「早起きは三文の得」という言葉もあるように、朝が良いものだということは広く知られていますが、分かっていてもなかなか実行できないという人もいるのではないでしょうか。今回は、どうしたら行動を変革できるのかを教えていただきたいと思います。

西多昌規さん(以下、西多):まずは部屋を明るくすることです。朝、カーテンを閉め切った暗い部屋にいることを避けてください。また、音で起きるよりも、光で起きるほうが合理的です。目覚まし時計の音はあまり意味がないと私は思っています。特にスヌーズ機能は、朝のすっきり感をなくしてしまいます。

池田:特に冬場は日が短くなって、朝起きる時間帯も暗くなっていきますよね。外が明るくなる前に起きたい場合の、コツや習慣はありますか?

西多:冬に向けた対策としては、とにかく光で起きることです。いくら日の出が遅くなっても、朝になれば薄明かりが差して、鳥が鳴いて、せわしない活動の雰囲気が出てくると思います。それを感じられるようにすることが一つです。アラームではなく、時間になると部屋を明るくしてくれる電灯で起きるという方法もあります。

生産性が上がる朝ごはんとは? (C) PIXTA
生産性が上がる朝ごはんとは? (C) PIXTA

池田:そういう目覚まし時計もありますね。以前、西多先生から伺って面白いと思ったのが、「人間はずっと寝たいと思う生き物だ」というお話でした。それについて、詳しく教えていただけますか?

西多:動いているものは動き続けて、止まっているものは止まり続けるという「慣性の法則」がありますよね。それと似たことが睡眠で起きているのです。人間は、夜更かしして何かをしていると起き続けられて、寝ていると寝続けたくなります。だから、目を覚ますために刺激が必要なのです。人間の体内時計の平均は24.2時間くらいといわれています。24時間よりも少し長いということは、放っておくと後ろにずれていくため、リセットする必要があります。