雑用処理だけがうまい人になりたいですか

 納得できない場面でも「NO!」と言わず、意見も反論もせずにガマンして妥協することを繰り返していくと、周囲の人たちは「ひどい目に遭っても文句を言わない人なんだ」と理解するようになります。

 やがて、「雑用が好きな人なんだな」と思われて、容赦なく雑用を押し付けられるようになります。彼らに罪悪感などはないのです。誰もが忙しいのだから、文句一つ言わない雑用係がいればウェルカムです。

 しかし、雑用にいくら手間をかけても、そこから学べることは少ない。雑用処理がどんなに上手くなろうと、人事考課には反映されません。チャンスなど永遠にやってきません。しょせん雑用は雑用でしかないのです。やがてそのまま、職場の「万年雑用係」に固定されてしまうでしょう。

 それで、満足できるキャリアといえるでしょうか? 仕事を通じて成長しているといえるでしょうか?

 その間に、他の同僚たちは、もっと意味のある仕事を担当して、着々と実績とスキルを積み上げているのです。あなたがこのまま「いい人」でい続けたら、最悪自分のキャリアを棒に振ってしまうかもしれません。

 だから私は、声を大にして言いたい。「いい人」「都合のいい人」から、今すぐに抜け出しなさい、と。

まずは、「いい人」から抜け出すことを自分で決意することから始めよう 画像/PIXTA
まずは、「いい人」から抜け出すことを自分で決意することから始めよう 画像/PIXTA

 とはいえ、いきなり職場でワガママに傍若無人に振る舞い、「イヤなヤツ」になっていいという意味ではありません。

 まずは、「いい人」から抜け出すことを自分で決意しましょう。そして、オカシイ、変だと感じたら、自分の考えを口に出してみましょう。まずはその勇気を持つのです。

 初めの一歩を踏み出すことには、心配や恐怖もあるはずです。ですが、その一歩を踏み出さない限り、永遠に次のステージは見えてきません。

 「いい人」度チェックで当てはまる項目が多かった人は、次回までにまず、「いい人」から抜け出すことを決意してみてください。

 そこから、すべては変わっていきます。

文/キャサリン門田 イラスト/六角橋ミカ 画像/PIXTA