ステップ2 書き出してみる

 次いで、自分が「何にどれだけ頑張っているのか?」を詳しく書き出します。「頑張っている」という言葉で表している内容を具体的に説明していくわけです。

<Aさんのケース>

 「私は毎晩、遅くまで残業しているんです。帰宅するのは最終電車のことも多くて、先月の残業時間は70時間、先々月は80時間でした。プライベートの時間なんてありません。家に帰るとくたくたで何もできないのに、ましてや、将来のためのスキルアップなんてムリに決まっていますよね?」

 Aさんの頑張りは、深夜に及ぶほどの残業時間の多さ。プライベート時間を圧迫するほど、会社のために自己犠牲を払って貢献していると訴えています。

<Bさんのケース>

 「私は、ずいぶん前からかなり自己投資してきました。週末はワークショップやセミナーに参加し、平日アフター5は英会話スクールに通っています。それも全部、同期の中でも一番に昇格したいからなんです。それなのに、ウチの上司は全然分かってくれなくて……」

 Bさんの頑張りは、勤務時間以外での自己投資。社外活動や習い事に多大な時間とお金を費やしているようです。その活発さや成長意欲、社交性を上司に認めてもらいたいのでしょう。

私はこんなに頑張ってる! でも方向が違えば、その頑張りは報われないのです イラスト/六角橋ミカ
私はこんなに頑張ってる! でも方向が違えば、その頑張りは報われないのです イラスト/六角橋ミカ

<Cさんのケース>

 「私は自分に与えられた仕事は、自分でキッチリやる主義なんです。他の人に丸投げして飲みに行っちゃう人もいますけど、そんな無責任なこと、どうしてできるのか訳が分かりません。 ありえないでしょ?」

 Cさんの頑張りは、責任感。他の人を頼らず、自分一人で担当する。すべて完璧に仕上げることに誇りを持っているようです。

 ここまで書き出すのは、たぶん数分でできるでしょう。

 「思い」とか「悩み」「イライラ」の正体を書き出すことは、そこから新しい視点や解決の糸口を見いだすのに役立ちます。