上司が部下の仕事を評価する基準
上司の目で見て、部下の仕事は次のような評価になります。
(1)最低水準に満たない
最低水準に満たない仕事には、「役に立たない」「足りない」という評価。これはもう、お説教の対象です。
午後イチの会議に使う資料のコピーを頼まれたのに、それを忘れてランチに出かけちゃったら怒られますよね。これが頻繁に起こる人は、「困ったちゃん」「未熟者」というレッテルが貼られてしまうでしょう。
(2)最低水準は超えたが、期待水準に届かない
最低水準は超えたが、期待水準に届かないレベルの仕事は、「指示した通り」であり、仕事として給料を払っているんだから「やってもらって当然」。
こういう対応をしている部下に対しては、「指示したことしかしない人」「いちいち細かく指示しないと動けない人」という意味で、ややマイナス評価です。
コピーを頼んだら、文字通りコピーしかしない。ただ会議室にコピーされた紙が積んであるだけ。心情としては、「残念な」「がっかり」「イマイチ」という感じでしょう。
(3)期待水準を超えた対応
期待水準を超えた対応には、「よく気が付いたね!」「いやぁ、ありがたい!」というプラス評価で、感謝や賛辞の言葉が自然に湧いて出ます。
今回のケースなら、コピーした後に、A3ヨコ型の大きな資料を折りたたんで綴じこみ、ページ順に並べ替えて製本する。さらに、これからプロジェクト会議が始まると分かっているのだから、席に1部ずつ配っておく。このくらいのことをしておけば、「さすが、よく気が付く人だ」と自慢の部下になるでしょう。
こういう+α(プラスアルファ)なサービスを日々積み重ねている人が、いわゆる「デキる人」です。
もしかすると、今回コピーを頼まれた社員Dさんは、「コピーを頼むなんて、私は雑用係じゃないのよ!失礼ねぇ!ムキーッ!」と思って、最低限のことをやり、頼まれた要件を終えたつもりかもしれません。(私は昔、こんなふうに思い上ったアホ社員でした…。反省)
しかし、会議で使う資料をきっちり仕上げられないDさんは、上司であるC部長にとって「彼女には、まだ会議で自分がプレゼンすることをイメージできていないんだな」というガッカリ評価になります。彼女は、これで次回プレゼンテーションできるチャンスを逃してしまったのです。
実は、あと一歩というところでチャンスを逃す人って、案外とこういう残念な理由があるのです。
このように、上司の「期待」をレベルに分けて考えてみると、あなたは、いつもどのレベルの対応をしているでしょうか?
ここで、ご相談者Bさんの話に戻しましょう。