貧血を抱えている女性は多い。貧血は、疲れやすさやめまい、頭痛などのプチ不調の原因になるので早めに治しておきたい。さらに、妊娠を希望する人の場合は、妊娠前に治しておくのがおすすめだ。貧血は胎児の発育に影響が出たり、早産のリスクを高めてしまうからだ。そこで「妊活するなら食事から」の第3回のテーマは「貧血対策」。妊活のための料理教室「いつかママになるために、今から始めるカラダづくり」のABCクッキングスタジオのレシピから、「貧血をケアする献立」を紹介する。
女性は月経があるため鉄欠乏性貧血になりやすく、日本人の50歳未満の成人女性の約5人に1人が貧血だ(*1)。また、健康診断の血液検査では分からない「隠れ貧血」の女性も多く、20~40代の40%以上がそれに該当する(*2)。
妊娠すると、胎児に酸素や栄養を届けるために、母体には妊娠前よりも多くの血液が必要になる。だから赤血球の材料である鉄の需要が増すのだ。貧血や隠れ貧血の状態で妊娠すると、胎児の発育に影響が出たり、早産のリスクが高まるという報告もある(*3)。妊娠してからではなく、妊娠前から食事で鉄を過不足なく取り入れて、貧血や隠れ貧血を改善しておきたい。
同様に妊娠前から取っておきたいのが葉酸。葉酸は赤血球の合成に関与しているため、不足すると正常な赤血球がつくられず、鉄欠乏性貧血とは別のタイプの貧血を引き起こすことがある。妊娠初期に母体に葉酸が不足していると、二分脊椎など胎児の神経管閉鎖障害のリスクも高まるため、この栄養素の不足にも気を付けたい。
鉄は牛肉、豚ヒレ肉、赤身の魚、レバー、あさりの他、大豆、青菜、ひじき、ナッツ、ドライフルーツなどに多く含まれ、葉酸はブロッコリーや青菜などの緑黄色野菜、大豆、枝豆などに豊富。これらの食材をおいしく取り入れる方法をABC クッキングスタジオ栄養士の田中亜耶音さんに伺った。
(*2)「平成21年国民健康・栄養調査」より、血清フェリチン15ng/ml未満の割合
(*3)BMJ 2013; 346: f3443
妊活おすすめ朝食献立1
鉄分たっぷり自家製ボロネーゼ
ブロッコリーとお豆腐のクリーミーポタージュ
プルーンとすりごまのスイートポテト
この献立の栄養価(1人分) 鉄、葉酸の下段の( )内は、1日の推奨量とこの献立による充足率(*) | |||
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
---|---|---|---|
581kcal | 24.7g | 18.g | 76.5g |
食物繊維総量 | カルシウム | 鉄 | 亜鉛 |
8.1g | 155mg | 4.9mg (10.5mg、47%) |
4.4mg |
ビタミンD | 葉酸 | ||
0.1μg | 158μg (640μg、25%) |
妊活おすすめ献立2
ツナのココナッツタイカレー
アジアンサラダ
マンゴーヨーグルト
この献立の栄養価(1人分) 鉄、葉酸の下段の( )内は、1日の推奨量とこの献立による充足率(*) | |||
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
---|---|---|---|
747kcal | 28.8g | 25.5g | 104.6g |
食物繊維総量 | カルシウム | 鉄 | 亜鉛 |
11.3g | 466mg | 6.6mg (10.5mg、63%) |
3.6mg |
ビタミンD | 葉酸 | ||
1.2μg | 218μg (640μg、34%) |