大都市で働く女性たちが栄養不足、運動不足、睡眠不足であることは、前回記事・現代女性は「栄養失調で痩せ過ぎで体がサビている」で紹介した。女性たちが不調を解消して社会で活躍し続けるための6つの新生活習慣とは?

 東京・丸の内、名古屋市などで働く20~30代の女性を対象に実施した実態調査の結果をまとめた一般社団法人ラブテリの「働き女子白書」で、大都市で働く女性たちが栄養不足、運動不足、睡眠不足の3重苦に陥っていることが判明した。この3重苦は、肩凝り、冷え性などのプチ不調や仕事のパフォーマンス低下、不妊、低出生体重児(出生体重が2500g未満)の増加とも関係している。

 ラブテリ代表理事で予防医療コンサルタントの細川モモさんが提案する、女性たちが不調を解消して社会で活躍し続けるための6つの新生活習慣とは?

鮭フレークご飯、納豆ご飯、しらすご飯、卵かけご飯…ニッポンには手軽な朝食メニューがある! (C)PIXTA
鮭フレークご飯、納豆ご飯、しらすご飯、卵かけご飯…ニッポンには手軽な朝食メニューがある! (C)PIXTA

提案その1 朝食抜きはNG。「糖質+たんぱく質」の朝食を

 「働く20~30代の女性の3人に1人が朝食を取っておらず、そのためにエネルギー不足、栄養不足に陥っていることが分かっています。朝食を抜くと、次に食べた食事の後の血糖値が上がりやすくなるので、朝ご飯を食べることは長期的に見ると糖尿病の予防になる可能性もあります。20~50代の男女1200人を対象にした朝食に関する別の調査(※1)では、朝食を取っていてもグリーンスムージーだけ、あるいは、生野菜のサラダだけ、パンだけなど1品しか食べていない人は、体が重い、職場に行きたくないと感じるなど心身の調子が悪い傾向が見られました。私たちが実施した調査でも、朝食を取っていてもおかずまで食べている人は12%でした。単一食品だけでは、朝食の持つ体内時計リセット効果を弱めてしまいます。糖質とたんぱく質を含む朝食を取ることで体内時計がリセットされ、学生では学力が高まるなど、生産性が上がる報告(※2)もあります」と細川さんは強調する。

(※1)出典:「朝食に関する調査」早稲田大学先進理工学研究所・柴田重信教授監修、2014年3月、シタシオンジャパンが調査を実施
(※2)Nutrients. 2018 May 8;10(5). pii: E574.

たんぱく質の多い食品なら、不足しがちな栄養素も補いやすい

 ここで糖質といっているのは、米飯、パン、シリアルなど、主食となる穀類だ。魚、肉、大豆製品、乳製品などたんぱく質が豊富な食品には、鉄分、亜鉛、カルシウム、ビタミンB1といった女性に不足しがちな栄養素も同時に含まれている。不調を解消するには、エネルギー不足だけでなく、栄養の不足分も補うことが重要。

 細川さんは、「忙しい朝こそ、ご飯に鮭フレークやシラス、納豆と卵かけご飯、グラノーラとヨーグルトなど手軽なものを組み合わせて、片方の手のひら1杯分程度のたんぱく質を、糖質と一緒に取る工夫をしてほしい」と話す。

 朝食を含めてきちんと1日3食+補食(おやつ)を取ることで、今の20~30代の女性に不足している平均約500kcal分のエネルギーも補える。頻繁な断食や1日1食のような極端な食事制限は、貧血や無月経などの体調不良につながるので好ましくない。

朝食摂取と不定愁訴との関係
朝食摂取と不定愁訴との関係
朝食を欠食している人は疲れや冷えなどの不定愁訴を感じている人が多かった 2015年、一般社団法人ラブテリAll Rights Reserved.