読者が効果を実感 「情報共有のコツ」とは?

 最後に紹介するのは、日経ウーマンオンラインの読者から寄せられた「情報共有のコツ」。ツールを使い分けたり、情報開示を積極的に行ったりと、状況に合わせて情報を共有するアイデアが集まりました。

部下が2人、チームの同僚が1人の計4人のチームで働いており、時と場合によってツールを使い分けています。急いで伝えるべき情報はグループライン、資料はメール、いつ確認してもいい内容のものは共有フォルダで送付しています。さらに毎日の朝礼で共有事項と進捗を確認し、抜けや漏れのないように努めています。(42歳、サービス、営業)

情報共有のためにどんなツールを使うとしても、最も大切なのは「情報開示」だと思います。私はいつも迅速に業務を進めるため、複数の取引先に対して情報開示を積極的に行っています。どんな内容を話すか、どの取引先に話すか、という判断は必要ですが。(43歳、企業顧問)

LINEでは挨拶以外の情報を送らないようにしています。業務時間外で仕事のために動くのは避けたいし、表情が見えない相手の意図をくむのをストレスに感じるときもあります。「何をするか」より、「何をしないか」が大切だと思います。(33歳、生活関連サービス、技術職)

 蓋を開けてみたら、意外に簡単な方法で問題が解決するケースもよくあります。何を導入するか迷ったときは、まず状況理解から始めましょう。

【業務改善士・沢渡あまねさんの評価ポイント】

 「企業では職位によって目線が異なるため、情報共有のための連絡手段一つとっても迷いや悩みが生じるのは当然です。大切なのは、目線をお互いに少しずつ合わせていくこと。部下や上司に対し過剰に期待するのではなく、まずは相手が置かれた立場を理解することから着手してみてはいかがでしょうか。相手によって臨機応変にツールを変えるのも一つの手です」(沢渡さん)

***

 デジタルツールやアナログな手段などさまざまな情報共有ツールがありましたが、企業によってカラーが異なるように、最適なツールも異なります。手っ取り早く身近なツールを導入するのではなく、情報を共有したい相手と自分のバックグラウンドを踏まえた上で、コミュニケーション方法を見直すといいかもしれませんね。

 次回は、チームのコミュニケーションが円滑に進む情報共有のコツを沢渡さんが解説します。

【アンケート概要】
◎日経ウーマンオンライン上で読者を対象に実施
◎調査期間:2018年8月1日~30日
◎有効回答数:341人

文/華井由利奈 写真/PIXTA

この人に聞きました
沢渡あまね
沢渡あまね(さわたり・あまね)さん
業務改善・オフィスコミュニケーション改善士・あまねキャリア工房代表。企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・コンサルティング・執筆活動などを行う。さまざまな企業で「働き方見直しプロジェクト」「社内コミュニケーション活性化プロジェクト」などのファシリテーター・アドバイザーを務めている。著書に『仕事の問題地図「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方』(技術評論社)、『働く人改革 イヤイヤが減って、職場が輝く! ほんとうの「働き方改革」』(インプレス)、「職場の問題かるた~“言える化”してモヤモヤを解決!~」(技術評論社)、他多数。