数字で作業量を把握してタスクを振り分け

 また、お互いのタスクを共有するときは数字が書かれたカードを使って作業量をポイント化。「このタスクは何ポイントだと思いますか? せーの!」という柴田さんの掛け声に合わせて、メンバーがカードを出します。

 1~2時間で終わる資料作成は2ポイント、新しいシステムの仕様を決める会議は長丁場になりそうなので3ポイント、というように、1つのタスクにかかる業務量をポイントで表すことで、タスクごとの大きさを比較しやすくなり、その議論の中でタスクの内容についてチーム内で共通認識をつくることができます。

カードを使って業務量をポイントで「見える化」する
カードを使って業務量をポイントで「見える化」する
お互いの仕事の負荷をポイントで示し合い、誰か一人に作業が集中しないように心掛ける 写真/柴田さん提供
お互いの仕事の負荷をポイントで示し合い、誰か一人に作業が集中しないように心掛ける 写真/柴田さん提供

 「最初はエンジニアの仕事の大変さが分からず、見当違いな数値を出してしまったこともありました。でも『この部分が大変だから自分は5ポイントを付けたんだよ』と理由を説明してもらうことで相手の仕事内容や一つの仕事にかかる労力を把握できるようになりました。ポイント制の導入によって、専門領域を担当する社員との相互理解が進んだと感じています」(柴田さん)

 また画面を通して数値が見えるポイント制ならビデオ通話で会議を進めることができるため、社内に戻る必要がありません。「月曜日の○時から」と予定を決めてカードを用意し、各自でパソコンを開いて「プランニング」に参加しているそうです。

金曜日の「振り返り」ではお互いの学びを話し合う

 金曜日に約1時間かけて行うのは、その週の「振り返り」。付箋を活用して、チームメンバー全員で良かったことと悪かったことを書き出し、ホワイトボードに貼り付けていきます。

 良かったこととして挙がるのは「スケジュール通りにタスクを進められた」、「会議がスムーズに進んだ」、「予定通りに新機能をリリースできた」など。一方悪かったこととしては、「スケジュール通りにタスクを終えられなかった」、「システムの構築が難しくて手間取ってしまった」などの意見。

 「良かったことと悪かったことを出し合い、チームメンバーの進捗状況や困り事を共有しています。1週間の終わりに状況を報告することで、翌週に向けてメンバー全員で方向性を確認し、心構えを新たにしています」(柴田さん)

「リモートワークで全員集まれない」時のオンラインホワイトボード

 しかしリモートワークの解禁によって、社員全員が一堂に会する機会が減り、金曜日に顔を合わせて「振り返り」を行うのが難しくなってしまいました。そこで使い始めたのが、オンライン上でホワイトボードを使えるツール「Realtime Board」です。

 このツールを使えば、オンライン上のホワイトボードに各自で付箋を貼り付けられるため、自宅や出先で仕事をしている社員も「振り返り」の参加が可能に。アナログで行っていた会議を徐々に見直し、状況に合わせてデジタル化することで、チームメンバーによるコミュニケーションの機会を維持しています。

付箋に良かった点や改善点を書き出してホワイトボードに貼る。「課題や改善点を常に見える化できるのがメリットです」(柴田さん) 写真/柴田さん提供
付箋に良かった点や改善点を書き出してホワイトボードに貼る。「課題や改善点を常に見える化できるのがメリットです」(柴田さん) 写真/柴田さん提供
全員が集まれないときは「Realtime Board」というデジタルツールを活用 写真/柴田さん提供
全員が集まれないときは「Realtime Board」というデジタルツールを活用 写真/柴田さん提供