週に1回は上司と1対1で相談

 月曜日の「プランニング」と、金曜日の「振り返り」の間の火・水・木曜日に行っているのが、「面談」です。社員によって曜日は異なり、スケジュールに合わせて直属の上司に困り事を相談します。

 相談内容は人それぞれ。チームの課題や個人的に困っていること、半期ごとに設定している目標の進捗状況、プライベートな内容など、自由に相談できるのがクラウドワークスの面談の特徴です。

 「人によって話す内容は異なりますが、引っ越しや外出など、プライベートな予定も上司に伝えることもあります」(柴田さん)

 柴田さんによると、「面談中のちょっとした雑談で自分の性格を知ってもらうこともある」そう。リモートワークで上司と顔を合わせる機会が減ってしまったからこそ、今まで以上に互いの状況を知り、理解し合うことが重要になっているようです。

毎日の「朝会」「夕会」がチームを強くするカギ

 スケジュールに組み込んでいる「プランニング」「振り返り」「面談」の他に、柴田さんのチームでは毎日「朝会」と「夕会」を実施しています。時間はどちらも15分。チーム内でタスクや悩みを共有し、個人プレーになりがちな業務を効率的に分担しています。

 「朝会」が始まるのは11時。約15分間でその日に担当する業務を共有し、タスク管理ができるデジタルツール「Trello」に書き込みます。タスク一つひとつを「カード」として登録し、進捗状況に合わせて、未着手・着手・確認待ちと表示することで進行中の案件を一覧で管理することができます。

 「困り事やタスクを朝のうちに共有しておくと、他のメンバーが助けてくれることもあります。また、その場で解決できないものを次の会議の議題にすることもありました。なかなか顔を合わせる機会がないからこそ、チーム全員で積極的に情報共有しています」(柴田さん)

 一方「夕会」は18時から18時15分。その日に担当した業務を共有し、改善点があれば話し合います。また最後の「今日の学びコーナー」では、チームメンバーが順番に学んだことを報告。「ユーザー調査でこんな声が届いた」という仕事の話から「今日○○で食べたランチがおいしかった」という日常のちょっとした出来事まで、幅広く共有します。

 「業務に関する話ももちろん大切ですが、硬い内容の会話ばかりだとチーム内の空気が強張り、話しづらい雰囲気になってしまいます。それを解消するため、業務とは離れたカジュアルな話題も積極的に話すようになりました。『チーム全員で成長する』という共通認識を持つことがポイントだと思います」(柴田さん)

「自席」と「秘密基地」2つのスペースを交互に活用

 柴田さんのチームで実施しているもう1つの取り組みが、2つのスペースの活用。個人の作業は自席で集中して進め、チームの誰かと相談しながら進めたい作業は「秘密基地」で行い、チーム全体の効率アップを図っています

 「秘密基地」とは、柴田さんのチームが社内で活用しているスペースのこと。チーム全員が見られるモニターや、ホワイトボードの他、大きなビーズクッションもあり、複数人で話し合いながら仕事ができる環境が整っています。

 「チームごとに席がまとまっているオフィスでは、自席は『すぐ誰かに相談できる場所』として認識されていて、何かあれば隣席の先輩や後輩に話しかけられる仕様になっていますよね。でも社員の中には自席で集中して作業をしたい人もいます。そこで『秘密基地』というミーティングスペースを設けることにしました。秘密基地で誰かと相談しながら進める時間と、自席で集中する時間、メリハリをつけることで効率よく仕事を進められるようになったと感じています」(柴田さん)

 「秘密基地」はもともと社員が集中して仕事をするためのスペースでしたが、柴田さんのチームが付箋やホワイトボードを活用して打ち合わせをしていたところ、自然と日ごろからチームメンバーが集まる空間になりました。現在はチームの壁を越えて、他のチームのメンバーが秘密基地を訪れることもあるそうです。

「秘密基地」と呼ばれる作業スペース。「皆で話し合いながら進めたい作業があるときは、ここに集まります」(柴田さん)
「秘密基地」と呼ばれる作業スペース。「皆で話し合いながら進めたい作業があるときは、ここに集まります」(柴田さん)