働く独身女性は「掃除、片付け」が悩み

 では、ライフスタイル別に、家事の負担感について具体的に見てみましょう。

 まずはシングル女性。一人暮らしの人は、一人だからこその負担感があることがうかがえます。

掃除(の負担感が大きい)。調理は外食をすれば済むし、洗濯も洗濯機がやるが、掃除を代行サービスに頼るのは気が引けるので自分でやるしかない。(42歳、独身)

掃除、片付け、整理整頓。ルンバを使っているので床掃除はだいぶ楽になったが、毎日の片付けが苦手。仕事やプライベートが忙しくなると服や郵便物、書類が散らかる。一人暮らしなのでついつい後回しに。(48歳、独身)

モノを増やさないように心掛けているが、仕事が忙しい日が続くと部屋が荒れる。一度荒れてしまうと、片付ける気がなくなってしまう。(34歳、独身)

基本的に家事が嫌い。特に掃除を負担に感じる。掃除ロボットの導入を考えているが、部屋の大きさからいうとぜいたくに思えて気が引ける。(37歳、独身)

 家事代行サービスや家電の導入など、家事負担を減らす選択肢はあっても「一人なのだからそこまでは……」という心理的なハードルもあることがうかがえます。

既婚・子どもなしの働く女性は「両立に疲れている」?

 次に、子どものいない既婚女性の家事の悩みを見てみます。

掃除(が負担)。平日は朝晩しか家にいないので、できるのが週末に限られる。疲れていて週末くらいゆっくりしたいときもあるが、気力を振り絞って何とかやっている。隣家に音が漏れない掃除機があれば夜中でも気が向いたときに掃除できるのにと思う。(36歳、既婚・子どもなし)

仕事で疲れている日は浴槽を洗うだけでも大仕事に感じる。食事の用意も同様。野菜を切るだけでも疲れる。(33歳、既婚・子どもなし)

多くのモノに囲まれていて、普段のちょっとした時間では片付ける気が起きない。休日にしようと思うのが一大決心。(42歳、既婚・子どもなし)

 子どものいない働く既婚女性の多くが、仕事と家事の「両立」の時間がないことに悩んでいる様子がうかがえます。

日々のメニューを考え、買い物して、作る(ことが負担)。食べるのはあっという間なのに、また食器を洗わなければいけない。夫のほうが帰ってくるのが遅いのでだいたい私がやらなければならない。(34歳、既婚・子どもなし)

 パートナーとうまく家事を分け合えればいいのですが……。

家事でぐったりの子どもあり女性

 最も負担感が強い、子どものいる既婚女性(独身女性も)の場合はどうでしょうか。

仕事から帰宅して夕食の準備、後片付け、入浴まで、子どもたちの就寝時間を考慮して分刻みで座る暇もない。それなのに職場では、定時で帰れていいねという扱い。さらに、早く帰ってこようと思えば帰れるのに遊んでいる夫が精神的なストレスの根源。(39歳、既婚・子どもあり)

平日は帰宅してから寝るまでの時間が短いので、弁当箱や食器を洗ったり洗濯物を干したりするためゆっくりは過ごせない。疲れ果てる。(45歳、独身・子どもあり)

すべてが負担。眠くても、疲れていても、どこか痛くても、やらなければ子どもも自分も生活が成り立たない。家事をすべてやってくれる人が欲しい。(46歳、独身・子どもあり)

食後の片付け、洗濯物を畳むなど、日々の家事の終盤にやることがエネルギー切れでできないことがある。そして自己嫌悪の繰り返し。(36歳、既婚・子どもあり)

 特に子どもがいる場合、栄養のバランスを考えた献立を考えて調理をするのが負担が大きいという人も。

食事作り(が負担)。手を抜こうと思えばいくらでも抜けるけど、やはりそれでは家族の健康は保てないと思うので。(43歳、既婚・子どもあり)

 調理が負担としつつも、工夫をしているこんな人もいました。

料理が嫌いだが、他の家族が担うこともできず仕方なく自分でやっている。嫌なのですべてシステム化。週末に翌週の夕食と弁当の献立を考え、買い物リストを作成し、まとめ買い。弁当のおかずは日曜日に7品目作り置き。(47歳、既婚・子どもあり)

 自分なりのルールでシステム化してしまうとかなり楽になりそうです。学びたいものですね。

 特集「ストレスオフ メンタル家事術」の以降の記事では、タイプ別家事の悩み対処法、家事シェアを成功させる秘訣、家事外注サービス活用法などを紹介していきます。次回記事・アンケート後編では、家族などとの家事のシェア、そして家事外注の現状について紹介します。

■アンケート概要
調査名:「働く女性の家事に関するアンケート」
日経ウーマンオンライン上で読者を対象に実施
調査実施期間:2018年8月27~9月4日

■日経DUALとは
共働き向けのノウハウ情報サイト。働き方、両立術、子育て、子どもの教育、お金などをテーマに実例や専門家によるノウハウ記事を配信。
URL:http://dual.nikkei.co.jp/

文/大崎百紀 写真/PIXTA