有働さんを敬愛する働き女子からは、職業人としての姿に共感する声も根強く存在します。

 ■キャスターという立場柄扱いにくい「弊社(NHK)ネタ」もしっかり拾って仕事してくれる感があります。
 例えば、朝ドラ「ひよっこ」で桑田佳祐が歌う主題歌「若い広場」に対して、NHK会長が「意味不明なところがありますね」とコメントして話題になった直後、朝ドラ終了後の「あさイチ」受けで「歌、いいよね」「想像力かき立てられてすごくいいよね」と絶賛。いのっちの「会長に言ったほうがいいよ」の突っ込みに「あっそうね。言ってみる!」と返す柔軟さ。よくぞ言ってくれた! 有働さん! と、その場で拍手でした。
 でもたぶん、有働さんしか言えない。同時に「ああ、有働さんはこういう自由が許されるポジションを得たんだな」とも。きっとこれまで大きな組織の中で苦労もしただろうし、思い通りにいかないこともたくさんあっただろうに、フリーにならずに組織の一員として活躍し続ける有働アナを見ていると、今いる場所でキャラを確立して頑張り続けることも大事だなと思うわけです。

ワキ汗をかきながら有働さんが得たポジション (C)PIXTA
ワキ汗をかきながら有働さんが得たポジション (C)PIXTA

真面目に生きてきた働き乙女たちの先鋒であり、「解」なのだ

 今、働く女性として(ワキ)汗をかいている女性たちとは、実のところ有働さんと同じように学生時代はそれなりに真面目に勉強して、就職して、でも自分は「女」なのだという部分で人生のいろいろな場面で泣いたり笑ったり苦しんだり、それでもとにかく「まあ、いろいろあるけど、結局仕事は好きなんだよね」とその生き方を続けている人たち。

 そんな、隠れ「働き“乙女”」とも言うべき女性たちの代弁者が、有働由美子アナという、正統の枠を超えることのできる正統な実力派アナウンサーなのです。

文/河崎 環 写真/PIXTA

変更履歴:本文を一部修正しました。(2017年7月12日)