お盆休みのど真ん中、都内某所で行われた肝入りのトークイベントに登壇しました。「日本おっさんサミット」と大胆にも銘打たれたその会へ集められた5人の40代論客のうち、私以外は全員男性。

 働き方評論家の常見陽平さん、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまささん、フリーライターの赤木智弘さん、社会学者の田中俊之さんに続いて、「5人目のおっさん」というジェンダーレスな名誉にあずかった私は、「世間で批判の対象となっているおっさんとは何者なのか、それは現代にも本当に実在するものなのか?」とのテーマのもと、「おっさん」とひとくくりに批判されることに当惑や違和感を覚える個々の男性たちへ、どちらかといえば(同世代のおばさんとしての)共感や当事者感を持ち、議論に参加していました。

 ところが、そこで衝撃的な意見に出合います。

 「『おっさん』という具体性のないイメージのみで中年男性にレッテルを貼って批判してしまう姿勢には問題があります。同様に、『女子のほうが優秀』という紋切り型のフレーズも、女子へのレッテル貼りになっている事実もある。それは新しい『女らしさ』を定義付けしてしまって、女子は優秀であらねばならない、優秀であるはずだとして、優秀ではない女子、優秀でありたいとは志向していない女子を追い詰めているんです」

 それは、「男らしさ」なるものが生むさまざまな事象を観察し、検証し、考察する、男性学を専門とする社会学者、大正大学心理社会学部人間科学科准教授の田中俊之さんの言葉でした。

「女子のほうが優秀」というフレーズは、女子への新たなレッテル貼りなのかもしれない (C)PIXTA

 田中さんの発言ターンでしたが、私は思わず、机の上に置いてあった自分のマイクを取り上げて、田中さんに「ごめん……」と謝ってしまいました。