9月末の三連休が明けた朝、渋谷駅構内を「自由な髪形で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」という広告コピーがジャックしているのを見て、私は足を止めて広告に見入りました。

 黒いひっつめ髪に白シャツ、黒ジャケット姿の、就活生とおぼしき女性の後ろ姿。でも近づいてよく見ると、その写真は「内定が欲しかったから、似合わないひっつめ髪をしていました」「みんな同じ髪形は変だと思いながら、自分だけ浮くのは嫌なので合わせていました」など、就活経験者たちの無数のコメントからモザイクアートのようにして浮き上がっているのでした。

 「P&G社のヘアケアブランド『パンテーン』が攻めている」と評価され、話題となった「#就活をもっと自由に」キャンペーンの一連の広告。(詳細は記事末リンクを参照)

黒いひっつめ髪、白いシャツ、真っ黒な上下スーツ。一目で就活中と分かります (C)PIXTA

 2013年以降に新卒採用活動を経験した男女1000人以上のアンケートの声を集約するような形で、

◆「内定式には黒髪に染め直して出席するべきでしょうか?」
◆「内定式にも眉と耳を出した髪形で行くべきですか?」
◆「内定式には就活ヘアで出席する方が無難ですか?」
◆「就活生の81%が『自分の気持ちを偽り、企業に合わせた経験がある』と答えました」
◆「ひっつめ髪をほどいた就職活動が、この国の当たり前になりますように」

 などのバリエーションで展開し、これまでにも「異様」と評されてきた日本の画一的で没個性な就活生たちの姿や就職活動のあり方に、疑問の一石を投じています。

 また、日本経済新聞(9月26日朝刊)にも全面広告として掲出され、就活生側だけでなく採用企業側の人々の目にも触れることで、SNSではさまざまな視点から感想が述べられました。

 でも、そこで不思議な現象が起きたのです。