私たちは簡単に傷つかない しなやかなマインドを持つ

 怒った人たちは、深層心理では「女の子」じゃなくなって「特権」を失うことを怖いと思っている。できればアップデートなどせず、今のまま「女の子」という立場に「ステイ」していたいのです。だから傷ついたのです。

 「女の子」を脱ぎ捨てるからといって、強く怖い「別の誰か」になる必要はありません。でも自分に自信をつけ、しなやか(強靭)なマインドを目指すのはいいでしょう? 受動的に「選ばれる」のではなく能動的に「選ぶ」人生にしませんか。

 実際、能動的に「選んだ」人生を歩んでいるアラサーの女性からはこんな声がありました。

 ◆「年齢を自虐的にネタにしている女子もいるし、ネタにもできず本当に気にしている女子もいるし、それをいじるオジサンもいるし、そんなの全く気にしないカッコいい女子もいるし。自分次第。アラサーになっていろんな人がいることを知っているので、『はいはい、この価値観の世界ですね、了解です』と思って観ていました。もはや、何とも思っていないんですけどね」(30歳女性)

 ◆「私は、具体的な年齢で何かを判断する価値観は持っていません。若くて元気でかわいいCMだなぁと思って観ていました。資生堂が『いい女になるためには25歳からアップデートだ!』と本気で思っているのなら、削除しなくてもよかったのでは、とも思います」(30歳女性)

まったく傷ついていませんが、何か?(C)PIXTA
まったく傷ついていませんが、何か?(C)PIXTA

 ほらね、自分軸がしっかりあるアラサーなら、矢継ぎ早に放たれるネットニュースに煽り立てられることもなく、「真正面から傷つく」なんてこともなく、CMはCMとして受け止め、なんなら制作の側の立場まで俯瞰することだってできるのです。「無傷」でいるしなやかさを身につけているのです。

 例えば、よく使う「女子」という言葉。もし、他人に「女子力が低い」と言われて深く傷ついたなら、あなたもまだ女子力なるものに価値を置いているから。

 そんな言葉で相手の女性を言い負かしたと悦に入る勘違いな人々には、

 「女子力とか実体のないもので人をディスった気になる奴ワロスw 人の能力を具体的に言語化できない語彙力のなさが露呈するわw 帰れww」

 くらいに(いえ、日経ウーマンオンライン読者の皆さんならもっと品良く表現されると思いますが)言い返して、しなやかに瞬殺してやってください。

文/河崎 環 写真/PIXTA