最も困るのは、友人のお見合いおばさん

 先ほどのAさん、Bさんともに、「最も扱いに困るのは友人のお見合いおばさん」と口を揃えます。既婚の友人が、未婚アラサーに向かって気を使いすぎて「あ、でもあなたは仕事が楽しいから、結婚しなくたっていいもんね?」などと言い、「そっちの方が傷つくこともある」のだとか。

結婚した友達が突然…「お見合いおばさん」化して攻撃してくる瞬間 (C)PIXTA
結婚した友達が突然…「お見合いおばさん」化して攻撃してくる瞬間 (C)PIXTA

 また、「無理に結婚しなくていいんだよ」と始めは言っていたのに、未婚アラサー女子が「でも子供はなるべく早く欲しいな」と口にした途端、「そうなのよ、体力のあるうちに出産・育児をしなきゃ! 卵子は老化するんだから!」と体温が急上昇、そこから激しく「お見合いおばさん化」するのだそうです。

 同世代でも、既婚子持ちの女性たちがお見合いおばさん化してしまうのはなぜか。それは、ひとは自分の経験からしか話すことができないから、なのですよね。

お見合いおばさんは「結婚」や「出産」を信じている

 私の知るお見合いおばさんは、自分もお見合い結婚をした人です。良家の元・お嬢さんで、女子大を卒業するとすぐにご両親の人脈で家柄も学歴も年齢も釣り合う一流企業のサラリーマンとお見合い結婚し、良き妻良き母として専業主婦人生を送っています。

 「すぐくっついたり離れたり、若い人の恋愛結婚ってどうなのかしらねぇ。私だったら親や親戚が薦めるような身元の確かな人相手じゃないと、怖くて結婚できないわ」と、わりと超絶失礼なことを平気で口にしてしまって賛否あるおばさんですが、要は彼女は、そういう人生しか知らないのです。

 今、立派なお見合いおばさんとして、親戚の若い子にあれこれ「いい人」を紹介して回っているのを見ると、彼女は「結婚という制度を信じている」のだと思います。それも、恋愛結婚よりは「身元の確かな」お見合い結婚を。

 自分の経験から「よい」と思ったものを人に勧めて回る。お見合いおばさんたちは、自分たちが経験した結婚や出産をよいものだと信じているから、お見合いおばさんになるのです。