サテライトオフィスと時差通勤で、通勤ストレスを減らす

 意外なのは、LIFE STYLEのオフィスでサイバー・バズの仕事をすることもあるということ。

 「もともとLIFE STYLEは多様な働き方を進めている会社。私がサイバー・バズで複業的に働いていることが、新しい人事・採用制度づくりのアイデアにもつながっています」(加藤さん)

 「複業が組織にメリットをもたらす」という価値観が職場で共有されているからこそのワークスタイルといえそうです。

 各社でのタスクはグーグルカレンダーで一元管理し、関係者と共有しています。LIFE STYLEでは日報を毎日提出することがルールとなっていて、タスクコントロールに役立っている他、ミーティングを密に行うことでメンバー同士の仕事の状況を把握することも心掛けているそうです。

 仕事のかけ持ちは、仕事面でも健康面でも自己管理がきちんとできることが大前提。だからこそ、サテライトオフィスや時差通勤を活用して通勤ストレスを減らし、週末には大好きな海でサーフィンやスタンドアップパドルを楽しみます。そもそも、こうした自然の中で過ごす時間を持ちたいという思いこそ、加藤さんが今の働き方を選んだ理由。

 「以前は仕事をベースに住む場所を決めていましたが、今は、理想のライフスタイルを大切にしながらどうやって働けるかという発想に変わりました」(加藤さん)

お仕事アイテムはPCメガネ。ライフスタイルを軸に据えた働き方を探し、今の「複業」という形にたどり着いたそう
お仕事アイテムはPCメガネ。ライフスタイルを軸に据えた働き方を探し、今の「複業」という形にたどり着いたそう

 かつてはITベンチャーで人事やバックオフィス全般を担当し、30代前半まではハードワークの日々を過ごしていた加藤さん。そんな中で、子どもの頃に過ごした自然豊かな環境を思い返し、「自然とのバランスを取った生活がしたい」と考えるように。退職してハワイのマウイ島に1カ月半滞在したことがライフスタイル重視の価値観に変わる転機になりました。

 帰国後、ビジョンに共感して気になっていたというBEACH TOWNの代表に手紙と履歴書を送った加藤さん。正社員を経て、複業OKのLIFE STYLEに入社した後は、業務委託という形でBEACH TOWNの仕事も続けています。

 「私と同じように他でも仕事を持つ人がいてもいいし、好きなことを諦めなくていいように、本業がありつつ事業に興味のある人を採用するような制度があってもいいのではないか」――。人事としてそんなことを考えながら制度づくりに取り組んでいたときに見つけたのが、今年1月からサイバー・バズが始めた「助っ人採用」。「制度をつくるなら、まず私が副業として採用される立場を経験してみよう」と考えた加藤さんはサイバー・バズに応募。3つ目のわらじを履くことを決意しました。

 その結果、今年7月にLIFE STYLEでは「本業を複数持つ」という生き方の提案として、新たな人事採用制度「シンクロキャリア採用」を開始。加藤さんの経験が生かされています。