現場とオフィスの連携を強化し、スキンキャビアで原点回帰。
A:そして満を持してのラ プレリー。
粟井:製品力はすばらしいのに、厳しい状況が続いていた頃です。
A:MBAの取得がさっそく生きましたね。社長に就任して最初に何を?
粟井:国内19店舗のチーフにお目にかかり、インタビューを。百貨店のバイヤーさんにも可能性がある製品は何かを尋ねたら、皆さん「スキンキャビア」と口をそろえる。やっぱりそうか、と確信しました。
A:実際にどう動かれたんですか。
粟井:いかに現場とオフィスのモチベーションを上げるかが課題でしたから、マーケと営業で3日間かけて、プライオリティをつけてやらなきゃいけないカレンダーを作成。自分たちで作ったら成功させたいという気になるでしょう? 入社して2カ月で結果が出ました。
A:すごいスピード感!
粟井:店舗数が少ない分、スピードとフレキシビリティは優位。コミュニケーションの場も少なかったので、BAさんの生の声を聴く機会を増やし、会議も毎週。スキンキャビアのリプロモートで売り上げもどんどん伸びていきました。
A:新製品ではなく、キャビアの圧倒的な製品力をまだ知らない人に広めていく戦略ですね?
粟井:そこ、大きい。あとはオペレーションの強化とか。ラグジュアリーの裏で細かくてこだわりのある変革を続けてるんです(笑)。
A:培った現場主義が生きている。
粟井:現場をいかにオフィスがサポートできるかだと思っています。
A:今後はどんな目標をお持ちですか?
粟井:アンチエイジングのパイオニアとして、もっと知名度を上げていきたい。だから今年も、全力でキャビア推し! です。
ラ プレリージャパン 社長
2~4歳と中学3年~高校3年までアメリカで過ごす。国際基督教大学、コーネル大学大学院を卒業後、アメリカ大使館の外部団体組織を経て、1991年、エスティ ローダー社に入社。「クリニーク」のBAを経験し、教育と製品開発のディレクターに。97年に「ビオテルム」の事業部長。2004年から「ゲラン」で取締役兼マーケティングディレクター。13年より現職。90年に結婚。合気道2段。仏教に関心を持ち、呼吸法も実践。
Photos: Kiyohide Hori Text: Eri Kataoka Edit: Aya Aso
日経リュクス「徹底したスキンキャビア推しで名門ブランドを見事よみがえらせた、ラ プレリージャパン社長 粟井佐知子さんの細腕繁盛記」を転載