1.オープニングテーマソングを聞く
一つ目は、朝起きてから仕事を始めるまでの間にエネルギーに満ちあふれた「オープニングテーマソング」を聞くという方法です。リズムや鼓動を感じることで脳を刺激し、“イヤイヤ仕事モード”から、“気分よく仕事モード”に切り替えるのです。
脳科学的にも、「やる気」を出すコツは「体を動かす」こと。というのは、脳には、「側坐核(そくざかく)」と呼ばれるやる気スイッチが存在します。この側坐核は、外から刺激しないと活動してくれません。
その刺激とは、体を動かすことなのです。曲を聞きながらリズムに乗ってみたり、いつもより速足で歩いたりして意識的に体を動かします。そして選曲も仕事を気分良くスタートできる曲にこだわってみてください。
2.3秒なりきり自動改札
二つ目は、「3秒なりきり自動改札」という方法です。これは、通勤時に自動改札を「ピッ」と通るときに、「理想の人になりきる」というものです。
まず、こんな人になりたいという理想の人をイメージします。そして、「ピッ」と鳴る瞬間に、その理想の人になりきって胸を大きく開き、さっそうと歩くのです。
「気分」そのものを変えるより、まずは「姿勢」から変えるほうが簡単です。「気分」は目に見えませんが、「姿勢」は一目瞭然で変えやすいのです。
そもそも胸を開いた状態というのは,心の状態が上向き、すなわち物事がうまくいっていることの表れです。だから、胸を開くだけでも、いい気分に切り替えられます。反対に「イヤイヤ仕事モード」のときは、猫背になって足取りも重くなりがちです。
「3秒なりきり自動改札」を知り、モデルさんのランウオークのイメージでルーティンを実践している方もいます。自動改札通過時だけでなく、気持ちが落ち込んだときにも、「ピッ」と3秒だけ理想の人になりきるのも、気持ちを切り替えるのに効果があります。
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今回は、会社に到着する前に、ちょっとしたゲーム感覚でできて効果も感じやすいシンプルルーティンをご紹介しました。ぜひあなたの気分をマネジメントして、気分良く仕事を始めてみてくださいね。
文/大平朝子 イラスト/三ツ木朗恵 写真/清水知恵子