所得税・住民税はどう決まる?

 さらに知っておきたいのが、税金のこと。まず、所得税はどのように決まるのでしょうか。

 「『今年はこれくらい稼ぐだろう』という仮の収入を基に所得税が計算されて、毎月お給料から引かれています。1年たった段階で実際の収入が確定するので、所得税を多く納め過ぎていたら、年末調整という形で還付される仕組みです」(高山さん)

 一方で住民税にはタイムラグがあります。

 「前年の所得に対して、住民税が決まります。ですので、新入社員の1年目は、前年の所得がないので住民税は引かれません。基本的に2年目から納めることになります。逆に、退職した翌年は、前年に所得があるため、仮に収入がなくても住民税を納めることになります」(高山さん)

所得税・住民税の欄もしっかり見ておきましょう ※架空の給与明細書です イラスト/渡辺あやね
所得税・住民税の欄もしっかり見ておきましょう ※架空の給与明細書です イラスト/渡辺あやね

自分のお給料を時給換算してみよう!

 給与明細書をもらったら、確認しておきたいことがもう一つ。それは、自分のお給料を時給に換算してみること。

 「月給を所定労働時間で割ると、自分の時給がいくらかが分かります。時給にして自分の労働状況を客観視することで、『自分の時給を上げるためにはどんなふうに仕事をしたらいいだろう』と自分のキャリアを考えるきっかけにして、ぜひ今後の収入アップやキャリアアップにつなげてみてください」(高山さん)

 給与明細書をもらって、手取り額だけ見ていた人も、社内のWebシステムで給与明細書を見ることすらなかったという人も、間違いがないかを念のためチェックしましょう。さらに、自分の支払っているお金や手取り年収のことを理解しつつ、キャリアアップを意識してみてください。

聞き手・文/西山美紀 イラスト/渡辺あやね