また、お金を毎月1回だけ、その月に使う金額だけをおろすようにしました。臨時出費があれば、それを事前に把握して、そのお金だけをおろしています。それ以外はすべて貯蓄。クレジットカードなどをむやみに使って散財しないように意識しています。私は性格的に細かいことがニガテなので、これくらいのざっくりしたルールが自分には合っていると感じています。

 投資信託も少しずつ始めて、現在は250万円になりました。他に、普通預金に400万円ほど、定期預金に150万円、投資信託で250万円、外貨預金に200万円あります。私の場合はゼロというよりも、マイナスからのスタートでしたが、地道に貯めていけば1000万円まで到達できるのだと分かりました。妹の言葉のおかげで、気持ちに火が付いたんだと思います。妹には本当に感謝していますね」

――貯蓄1000万円の他に、不動産投資もあるそうですね。

 「はい、不動産投資もいいなと思って勉強しようと思って、いろいろなセミナーに出てみたのですが、ほとんどが勧誘目的でいいことしか言わないんですよね(笑)。

 すべての話をうのみにしてはいけないなと思っていたところに、信頼できる友人から投資用不動産の仲介業者の方を教えてもらったんです。メリットだけでなく、デメリットもしっかり教えてくださる方で。不動産投資は、賃料を得るだけではなく、逆に不動産にかかる固定資産税という出費などのマイナス面もあることが分かり、そのあたりもじっくり調べてから決めました。

 それらのプラスマイナスを計算すると、現在はほんの少しプラスになっている程度。ですが、もし自分が死亡したら住宅が資産として残りますし(注:団体信用生命保険があるため、万一の際は住宅ローンの支払いがすべてなくなる)、また今後繰り上げ返済をしていけば、大きくプラスになる時期も来ると思います。

 不動産投資をきっかけに、政治や経済などのニュースをよく見るようになり、勉強もするようになりました。それらを全部含めて、自分にとってプラスだと感じています」

――貯蓄を意識するようになって、変わったことはありますか?

 「人間関係やモノなど、自分の身の回りすべてを見直しました。自分にとって必要なもの、そうでないもの、前向きになれるもの、そうでないものを分ける『断捨離』をしたんです。以前は飲み会に誘われたら、欲張ってすべてに参加していたのですが、貯蓄を始めてからは相手をじっくり選んで行くようになりました。

 そうすると、大切な人だけが周りにいるようになり、もっと大切にしたいと思って、プレゼントなどの費用は増えましたけど(笑)。でも、以前に比べて気持ちが満たされるようになったと思います。

 また、部屋もきれいに見直したいと思って、洋服や食器などを厳選。部屋がすっきり片付きました。以前は『自分へのご褒美』と称してあれこれ買っていたのですが、部屋を片付けたらそれ以上汚したくないと感じるので、ご褒美の出費も減りました。不要なものをネットフリマなどで売って、少しお金になったのもよかったですね(笑)。

 人間関係もモノもお金の流れも、すべてがすっきりしたような気がします」

人間関係もモノもお金の流れも、すべて「すっきりしました」 (C) PIXTA
人間関係もモノもお金の流れも、すべて「すっきりしました」 (C) PIXTA