また、逆にお金に細かくてケチだなと感じる男性は、付き合ったり結婚したりしたら、お金を使う場面になるたびにうんざりするだろうなと、お付き合いに踏み出せなくて。

 そう考えていくと、第一印象ですてきだなと思っても、お金の使い方を見て違和感があると、付き合うところまでいかないんですよね。お金の使い方を見ると、計画的に人生を進められる人かどうか、見えてきてしまうから。

 お金に関する考え方が同じという人にはなかなか出会えなくて、結婚どころか、お付き合いすら難しい状況です。

 とはいっても、そんな話を男性にしてみると『女性だって同じだよ。男性を金としか見ていないんだなって残念に思うときがあるよ』なんて言われたりして、そうか、お互いにうまくいかないなあと感じています」

――「人生幸福度が30点」と答えていただきました。貯蓄が少ない人からは、「貯蓄が2900万円もあるのに?」と驚かれるかもしれません。

 「はい……貯蓄があれば将来への不安はいくらか解消されると思うのですが、貯蓄があっても、プライベートの満足度は特に増えないんですよね。貯蓄がいくらあっても、人と付き合ったり、結婚したりということとは全く関係がないから。夫や子どもと幸せそうな日々を送っている友達を見ると、『羨ましいな』と思ってしまいます。

 お金がここまで貯まって分かったことは、お金がないことは不安要因の一つになるけれど、お金があったとしても、幸せが一つ増えるわけではないということです。

お金があったとしても幸せが増えるわけではないと気づいて… 画像はイメージ (C) PIXTA
お金があったとしても幸せが増えるわけではないと気づいて… 画像はイメージ (C) PIXTA

 今のところは、一人暮らしで好きなときに好きなことができるし、自分の世話だけをすればいいので気楽です。でも、今後50歳、60歳と高齢になっていったときに、このまま一人ですべてをこなしていく自信はありません。やはり夫や子どもがいたほうが幸せなのかなという思いも湧いてきます。

 この問題に関しては、現実にどうしても向き合えずに、避けるようにして今を生きているような気がします」

――貯めるだけでは、幸せを感じないと思ったということですね。貯めるよりも、お金をどう使うかがポイントなのでしょうか。

 「そうなんです。そう思ったので、貯めたお金で、親をハワイかヨーロッパなど、海外旅行に連れて行ってあげたいと考えています。予算は、父母と私で150万円くらいかな。親が一番喜ぶのは、本当は私が結婚して孫を見せてあげることだろうなと思うけれど、きっとかなわないだろうから、せめて旅行に連れていってあげたい。何かしらの親孝行を、親が元気なうちにしてあげたいと考えています。

 また、マンション購入に向けてお金を貯めていますが、それだけではなく、もっと有効的にお金を使いたいと考えて、少し前から英語教室に通い始めました。年間40万円程度かな。今まで自己投資にお金を使うことには抵抗があってできなかったのですが、実際に自己投資にお金を使ってみたらとてもいいと感じたので、もっと早く踏み出せばよかったと思っています。

 これからは、貯めたお金を有効活用して、より生き生きできるような人生にしたいなと思っています」

文/西山美紀 写真/PIXTA

◆変更履歴:本文を一部修正しました。(2017年11月2日)