今後、副業が当たり前になっていく中で、時間の切り売りをする仕事を副業や兼業に選ぶことは、ブラックな働き方につながりかねません。会社員を続けながらも、自分の価値を見極め、能力を役に立つ形でパッケージ化するには、どうしたらいいのでしょうか。この連載では、働き方改革のコンサルティングを行っている池田千恵さんが、「ポータブルスキル(持ち歩き可能な、どこでも通用するスキル)」を磨く方法を指南します。第2回の今回は、「自分はまだまだ病」にかかってチャンスを逃している人に、警鐘を鳴らします。

勉強好きは「じぶん商品化」が苦手

勉強熱心なのはいいことなのですが… (C)PIXTA

 リカレント教育という言葉が話題になっています。リカレント教育とは図書館情報学用語辞典によると、「職業人を中心とした社会人が高度で専門的な知識や技術を習得するために、必要に応じて受けられる再教育システム。リカレント(回帰・循環)という語が示すように、生涯にわたって教育を継続的に循環させようというもの」だそうです。簡単に言うと「社会人の学び直し」全般をそう呼ぶようになってきているようです。

 学生時代の同級生にも社会人入学で学んでいる人がおり、社会人経験のない私たちに比べ勉強に対する熱量が高い印象がありました。経験がないまま理論だけを学んでいてピンとこなかったことが「あの時のこの勉強はこういう意味だったのか!」と後で気付くということはたくさんありますよね。社会人経験を経た彼女の視点から見た学校の講義はきっと生き生きと動きだすような、実践につながるものだったのだろうと思います。

 最初の就職先に定年までずっといるということが現実的ではなくなってきたり、副業が徐々に解禁されてきたりしている世の中で、今の自分をアップデートするために学びたい、と思う人が今後ますます増えていくことでしょう。

 しかし、私は「じぶん商品化」(=「自分の価値がここにあるのではないかな?」と仮説を立て、パッケージ化し、値付けして販売しながら試行錯誤を繰り返すことで、どこででも通用するスキルを磨くこと)をするためには、時に勉強が成長の邪魔になることもあるのではないかと感じています。

真面目な人が陥る「自分はまだまだ病」とは

 真面目な人ほど、自分はまだまだその域には達していない、と学び続ける傾向にあり、私はこの状態を「自分はまだまだ病」と呼んでいます。

 一般的に勉強熱心なのはいいことだといわれていますが、「じぶん商品化戦略」の視点でいうと、勉強熱心がかえってあなたの首を絞めるということもあり得ます。

 理由は二つです。

1.学びが深くなればなるほど、「自分には無理だ」と行動を制限されがちだから
2.「学校」で学べる情報は、既に過去の成功体験だから

 順番に説明しましょう。