あなたの知識を一般化するための4つのステップ

 あなたの知識を一般化して、体系化するためのステップは、次の4つです。

1.自分の経験を洗いざらい思い出す(仕事プライベート含めて)

2.自分の経験で他の人の「困った」を解決することはできないかを考える

3.こういう「困った」を解決する××という経験というコンセプトを考え、周囲に反応を聞く

4.SNSで発信したり、小さな会を企画したりにチャレンジしてみる

 順番に説明しましょう。

<自分の経験を洗いざらい思い出す(仕事プライベート含めて)>

 成功体験はもちろんのこと、失敗体験や反省点、今の自分が過去を振り返って「こうしておけばよかったのに」といったようなことを詳しく書き出してみましょう。ポイントは、仕事の経験だけでなく、プライベートでの経験も振り返ることです。なぜなら、仕事で成果を上げた一因に、あなたのプライベートでの気質が関わっていたりすることが多く、仕事とプライベートは切っても切れない関係だからです。「仕事だから」「プライベートだから」と思考を分断させてしまうと、その分発想もしぼんでしまいますので自由に思い出してみましょう。

<自分の経験で他の人の「困った」を解決することはできないかを考える>

 こんな人が、こういう悩みで苦しんでいないかな? それを私の経験で助けることができないかな? ということを箇条書きにします。

 私が9年連続でプロデュースしている朝専用手帳「朝活手帳」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の例でいうと、

●早起きしたいのにできない

●自分の自由な時間をつくりたいのにできない

●早起きや習慣化の本を読んでやる気になるけれど、やる気が3日以上続かない

●早起きができないと自己嫌悪に陥ってしまう

 といった悩みを、「図解で整理できる」「テンプレートに落とし込める」「ネガティブな思い込みをポジティブに変えられる」という自分のスキルを活用して手帳化することで解決できないか? と考えました。

<こういう「困った」を解決できる××という経験というコンセプトを考え、周囲に反応を聞く>

 朝活手帳の場合は「早起きしたいけどできない」を仕組みで解決できる「朝専用手帳」=「朝活手帳」というコンセプトで企画書を作成し、出版社に提案したところ採用になりました。朝活手帳のコンセプトは2011年の発売当時ツイッターで発信したところ多くの反響をいただき、最初の「朝活手帳2011」は、刷り部数が店頭から全くなくなるほど売れ、翌年3月に出版社としては異例の対応として「朝活手帳 日付フリー式」を発売することになりました。おかげさまでそれから9年連続で支持いただく手帳となりました。

 「SNSで発信したり、小さな会を企画してみる」については少しコツがいるので次の項目で多くの文字を割いて説明します。

SNSで発信したり、小さな会を企画してみる

 コンセプトが固まったら、本当にそのアイデアが相手の役に立つか、自分の思い込みではないかを実際に人に聞いてみて、ナマの声を集めてみましょう。SNSでコンセプトを発信したり、興味を持ってくれそうな友人知人に声を掛けたりして、まずは無料でもいいので反応を見る目的で会を開催してみることをおすすめします。

 今はTwitter/ブログ/SNSなどで、「集まりましょう!」と声を掛ければ、すぐに集まることができる時代です。最初は友人を誘いあうところからのスタートでもOKですので、開催してみましょう。イベントを開催する垣根は昔よりずっと低くなっています。 特に参加者の時間の都合がつけやすい「朝活」を定期的に主催するのはおすすめです。

 夜は予定が見えない人も、朝なら自分さえ早起きすれば開催できますし、始業時間が決まっているためダラダラ開催することもなく、習慣化させやすいです。主催というと大げさに聞こえるかもしれませんが、発起人になって友人や仲間を誘ってみる、という気軽なイメージで始めてみましょう。そこで「いける」という感覚がつかめたら、シリーズ化していきます。

 シリーズ化していくためにはコツがあります。それはネタ切れしない形式を選ぶことです。

 例えばあなたが勉強して得たお金関連の資格を生かして「お金に対する知識を深める勉強会」を開こう! と考えたとき、習った教科書に載っているような内容を順番で開催したとすると、教科書の知識の提供が終わるとすぐに朝活が終了となってしまいますよね。

 例えばあなたの経験を生かしたお金の知識を教えたいのであれば、お金に関わる読書会やニュースを報告する会を開き、あなたならではの視点で議論する場をつくるようにするとネタ切れしません。本は毎日出版され続けていますし、ニュースも日々生まれるので「次はどうしようかな?」と悩む時間も短縮されます。私も「早朝グルメの会」という朝からレストランでおいしい朝食を食べる会を10年主宰していますが、朝食営業のレストランはなくならないのでずっと続けることができます。

 今回お伝えした方法は「朝活」と限定はしていますが、朝以外でも、会を主催するときに応用できるものです。参考にしていただければ幸いです。