現状の不満から楽しみを見いだす思考法とは

 「仕事が遊び、遊びが仕事」の時代になりそうなのは分かった。でも今のこの差し迫った悩みはどうしよう? という話ですが、「仕事が遊び、遊びが仕事」思考を養うという視点で取り得る解決策は二つあると考えています。一つは現状を乗り切るためのマインド面の施策、もう一つは将来を見据えた施策です。順番に紹介しましょう。

現状を乗り切るためのマインド面の施策:今の仕事と将来の仕事の「架け橋」を考える

 「会社にとって絶対にいい」施策と、今やっている仕事の価値を、まずはこじつけからのスタートでもいいので、何かしらの意味を見つけるクセを付けましょう。これを私は「架け橋」と言っています。

 例えば、「あいつが言うなら」と誰もが納得して自由な裁量で仕事ができるようになるために、今目の前の仕事を誰にも文句を言わせないように1年間集中して頑張ろう! というものでもいいですし、そこまで大層なものでなくてもかまいません。「今後『じぶん商品化』の時代が来ると、一人起業家が増えてくるだろうから、私がやっている事務代行の仕事は一人起業家にニーズがあるはず。今のうちにどういう事務フローだとパッケージとして商品化しやすいか考えておけば副業や起業したときに役立つはず」というものでもいいでしょう。

 今の仕事内容と自分が本当にやりたいことに乖離(かいり)があればあるほど、仕事にやりがいを見いだせません。やりがいがないから仕事でも結果を出せず、結果を出せないから本当にやりたい仕事がいつまでたってもできないという負のループに入ってしまいます。「今の自分の仕事は、将来の仕事と関係ない」という思い込みは、仕事を楽しむという思考の妨げになりますので、まずは今の仕事の意義と未来の仕事に橋を架けていきましょう。

 ちなみに、よくよく考えた結果、どうしても会社の未来がよくなることと今の仕事がつなげられないというのであれば、あなたにその仕事は合わないということです。その仕事にやりがいを見いだすことは今後も難しいと思うので、転職など次のステップを考えるいい機会かもしれません。

将来を見据えた施策:会社に納得してもらえるほどの意義を考え、プレゼンする

 もう一つ将来を見据えた施策としては、決裁者にプレゼンしたらどうなるか? をイメージし、実際にプレゼン資料を作ってみることです。あなたが情熱を持って取り組める仕事が、どれだけ会社の未来を変えるかを会社の文脈で考えてまとめてみましょう。会社の文脈とは何かというと、一言でいって「もうかるかどうか」です。「もうかるか」というと生々しいと感じる方も多いかもしれませんが、会社は利益の追求によって世の中をよくすることで成り立っているため、いくら「社会にいい」活動を提案しても、それが「もうからない」のなら会社もGOを出さないもの。つまり、「もうけ」は悪ではなく、経済の循環を促す社会貢献といえるでしょう。ですから、例えば会社の今期、次期の経営戦略や会社の創業時からの経営目的とリンクさせ、あなたの施策がいかに会社の「もうけ」にとって必要不可欠かをプレゼンとして組み立ててみましょう。

 プレゼンを組み立てる方法については「言いたいことが伝えられる3つのポイント」でも紹介した「GARPFSメソッド」を参考にしてみてください。