■現代の環境ですっぴんは危険

 ところで、本当にすっぴんがいいのでしょうか? これ、答えはノーだと思います。というのも、紫外線や大気汚染、電磁波など肌を取り巻く環境は非常に過酷。男性でさえ、紫外線対策にUVクリーム等を常用する時代、何もしないのはやはり不用心です。

 男性と女性の肌を比べた場合、構造は同じでもその厚さに差があります。男性の方が、コラーゲンやエラスチンなども女性に比べると多く、そのぶん強い。なので男性はある程度の年齢まで、何もケアをしなくても耐えられるのでしょう。だからこそ、女性のお肌の曲がり角は男性よりも早く、スキンケアやメイクでプロテクトすることが必要だと思います。

■すっぴん風美人の作り方

 すっぴんに自信があるという女性はさておき、自信がないけど、求められているという人はこうしたらいかがでしょう? まず、スキンケアを見直して、シミが気になるならホワイトニング系を、シワやたるみが気になるならエイジング対策のできるものを選んで、まず総合的な肌力を上げましょう。自分の肌を年齢やライフスタイルを鑑みて、冷静に分析を。

 次に(1)カラーコントロールのできる下地を使って、色ムラや赤みをカバーする。(2)ファンデーションは惰性で選ばず、いろいろな光の下で試して吟味する。(3)色モノを使うときは、肌なじみがいいものを選ぶ……など、素肌っぽく見えるコスメにスイッチし、テクニックを磨いていくのです。

 さらにメイクをオフして男性が一番ビックリするのは、眉やまつげの違い。太眉ブームの中、ひと昔前のような“麿眉”という人は少ないでしょうが、毛量が少なめなら普段から育毛美容液などで養生をして増やす努力を。また、マスカラやつけまつげ派ならエクステに変えるのもいいかもしれません。

 不断の努力なくして、「きみのすっぴんが好き」とは決して言ってもらえません。

 このように入念な準備が、男性を優しくだます“すっぴん風美人”を生むのです。でも、こんな悪意のないウソなら、きっと男性はだまされても悪い気はしませんよ。

文/藤村 岳 イラスト・写真/CHIHIRO HOHI、tomos(PIXTA)