朝の「東京スカイツリー」で再び婚活に奮起

 東京が一望できる、朝の東京スカイツリー。街を見下ろしながら、私は恵梨香さんに語りかけました。

 「今回のお相手には、恵梨香さん自身がきちんと向き合っていなかったよね? 賢いあなたなら、そのことにもう気付いているでしょう?」

 「……」

 「あなたは、なぜ結婚相手に学歴と収入を求めているの? 厳しいことを言うようだけど、この先もずっとバリバリ仕事を続けるのなら、同じようにバリバリ仕事をする男性とは、幸せな結婚生活を送れる可能性は低いわよ。あなたの結婚生活にとって本当に大事なことを、もう一度考えてみて」

 実は結婚において、「稼いでいる女性」と「稼いでいる男」の相性は悪く、磁石でいえばプラスとプラスを近づけるようなもの。男性側に、「自分と同等以上に稼ぐ女性はカッコイイ」と思える器の広さがなければ、いずれ反発し合い、時にはライバルになってしまうこともある――。

 学歴と収入にこだわる恵梨香さんに、そのことをきちんと伝えたかったのです。

 「今、スカイツリーの下を歩いている人の中には、結婚してる人もいるし、していない人もいる。あなたと同じように婚活中の人もいれば、何かに悩んでいる人もいる。みんな、同じだよね」

 恵梨香さんは黙ったまま、真剣に耳を傾けてくれていました。

 「今、ここで立ち止まったら、あなたはもう婚活をやめると思う。それでいいの? あなたには、まだやれることがたくさんある。捨てるべきものも、変えられることもある。このまま不完全燃焼のまま終わらせて、後悔しない?」

 伝えるべきことを伝えた上で「婚活をやめる」というのなら、それでもいい。私も覚悟を決めて、話をしていました。

 しかし恵梨香さんは、バイタリティー溢れるすてきな女性。高い所から街を見下ろし、物事を俯瞰して見ることで、「今の自分の悩みは、見方を変えればとても小さなことなんだ」ということに、自ら気づいてくれたのです。

 そして彼女は、再び奮起しました。

 「私、もう一度頑張ります。フラれてショックだったけど、そんなの大したことないって思えてきました。やめないで、婚活を続けます!」